オンライン予約システムは、多くの店舗や施設運営者にとって不可欠な業務支援ツールになっています。しかし、予約システムの種類が増える一方で、自社に最適なシステムを選ぶことは容易ではありません。特に初めて予約システムを導入する方にとっては、どのシステムが自社のニーズに最も合うのか判断が難しいものです。
本記事では、人気の予約システム「RESERVA(レゼルバ)」と「STORES(ストアーズ)予約」の2つを取り上げ、初心者が特に重視する「導入の手軽さ」「スタッフの操作性」「無料プランの充実度」「エンドユーザーの使いやすさ」という4つのポイントを軸に、徹底的に比較検討しています。
予約システム選びで迷っている方が、自社の状況や運用目的にぴったりなサービスを選べるよう、分かりやすく具体的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。
予約システムに求められる基本条件
まず初めに、オンライン予約システムを導入する上で、初心者が特に重視する傾向にあるポイントを整理します。
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導入の手軽さ・初期設定のかんたんさ:初期設定が短時間で完了し、運用開始までスムーズに進められること
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スタッフが迷わず操作できるか:ITに不慣れなスタッフでも直感的に操作可能な管理画面を備えていること
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無料プランの機能充実度とコストパフォーマンス:無料プランでも実用的な予約管理機能が充実していること
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予約者(顧客)側のユーザビリティ:顧客が迷わず予約できる直感的で使いやすい画面設計になっていること
本記事では、これらの点を基準に両サービスを見ていきます。
各社概要
RESERVA(レゼルバ)

RESERVA(レゼルバ)は、累計導入企業数が30万社以上を誇る国内最大級のクラウド型予約システムです。最大の特長は、350種類を超える幅広い業種・業態に特化した専門的な予約機能を提供していることです。美容サロンや医療機関、飲食店、宿泊施設、イベント会場、教育機関、官公庁など、それぞれ異なる業界特有の課題やニーズに柔軟に対応できる仕組みを備えています。
具体的には、「サービス指名あり」「サービス指名なし」「スクール」「イベント」「施設」「宿泊」の6つの予約タイプを提供しており、各業態に最適化された予約プロセスや専用の画面設計を実現しています。また、ZoomやGoogleカレンダー、Instagram、LINE、Facebookなど主要な外部サービスとの連携機能も充実しており、業務効率化と顧客満足度向上に貢献しています。さらに、オンライン決済、キャンセル待ち、リマインドメールなどの顧客の利便性を高める機能も豊富に搭載されており、予約の取りこぼしを防ぎ、売上向上に直結しています。
セキュリティ面では、情報セキュリティの国際規格であるISO27001認証を取得しているほか、SSL通信、データ暗号化、不正アクセス対策などを徹底しています。この高水準のセキュリティ管理により、個人情報保護が厳格に求められる医療機関や大学、地方自治体をはじめ、多くの機関から信頼され、長期的な利用実績があります。
STORES(ストアーズ)予約

STORES(ストアーズ)予約は、STORES株式会社が提供するオンライン予約受付システムです。予約タイプは、「サービス予約」「イベント予約」「スクール予約」「施設予約」の4つを提供しており、業種に応じて使い分けることが可能です。
無料プランでは必要最低限の機能を利用できますが、有料プランにアップグレードすると高度な機能や設定が使用可能となります。また、オンラインでの事前決済機能を備えており、クレジットカード決済やQRコード決済などにも対応しています。
初心者目線での操作性の比較
初心者が予約システムを選ぶ際、最も気になるのが「実際にどれくらいかんたんに使えるのか」という操作性です。この章では、初心者目線から見た「RESERVA」と「STORES予約」それぞれの操作性を比較し、具体的に検証していきます。
RESERVA

初心者でも約3分で予約サイトを開設できる
RESERVAの導入手順は非常にシンプルで、予約サイトの開設はわずか約3分、手順にして3ステップで完了します。公式サイトでも「アプリのインストール不要で、ブラウザ上で登録するだけですぐに運用を開始できるSaaS型予約管理システム」と明記されており、パソコン操作が苦手な方や「とりあえず試してみたい」と考えているユーザーにも最適です。
さらに、RESERVAの管理画面は「基本設定」と「高度な設定」に明確に分類されているため、初心者でも設定の流れを迷うことなくスムーズに進めることができます。実際の利用者からは「無料のフリープランで使ってみて、問題なく操作できたので、必要な機能に応じて有料のエンタープライズプランにプランアップした」といった評価が寄せられており、初心者が戸惑うことなく初期設定から本格的な運用へとステップアップできることを裏付けています。
直感的な管理画面で、新人教育の負担を軽減
RESERVAは、直感的に操作できるシンプルなインターフェースが魅力の予約システムです。そのため、ITスキルに自信がないスタッフでも、予約の登録や確認、顧客情報の管理をかんたんに行えるような設計になっています。
実際、飲食業界向け予約システム情報サイトの「Rリザーブ」もRESERVAを高く評価しており、「予約の登録や確認、顧客情報の管理などが直感的に行えるため、ITに不慣れなスタッフでもスムーズに導入できる」と明言しています。このように操作性の高い管理画面により、予約業務に不慣れな新人スタッフへの教育時間を大幅に短縮できるため、業務効率の向上やコスト削減にもつながります。
無料プランでも、豊富な機能が搭載
RESERVAの大きな特徴は、無料プランでも幅広い機能が使えることです。RESERVAの料金プランページによると、フリープラン(月額0円)は「はじめてでも安心。ずっと無料で使える」と明記されており、導入時の初期費用も不要です。
フリープランでは、月間予約件数が50件まで、顧客登録数は250件まで対応可能で、利用できる基本機能は43種類にも及びます。予約受付や顧客管理、予約関連自動通知といった基本的な予約管理機能はフリープラン内で完結するため、小規模店舗や個人事業主にとってはかなり実用的に運用できます。
サロン予約システム比較ナビの運営者も、こうしたRESERVAの無料プランの充実度について、「ほとんどのサロン予約サイトのサービスは有料からでしか利用できない反面、RESERVAは無料から利用できるのもポイント」と高く評価しています。
予約者が直感的に使える、ユーザーフレンドリーな設計
RESERVAは、予約を行うエンドユーザーの使いやすさに重点を置いた設計がなされています。運営元である株式会社コントロールテクノロジーの公式noteでは、RESERVAについて「個人のデジタルリテラシーの高さにかかわらず、直感的に操作していくと、いつの間にか予約が完了している、ストレスを感じさせない操作性」を実現していると明言しており、予約システムを初めて利用する方でも問題なく操作できることが強みです。
さらに、予約ページは「PC・スマホ・タブレット、どの端末から利用してもサクサク」動作するため、利用者は自身に最も適した方法で予約を完了できます。このような直感的でストレスフリーな操作性を理由にRESERVAを導入する事例も多く、例えばマミ鍼灸院の代表・佐保田満美氏は「お客様が使いやすいことと、予約だけでなく管理画面も携帯から操作できることが決め手でした」と評価しています。
このようにRESERVAは、デジタル操作に不慣れな初心者でも安心して使えるよう工夫された、ユーザーフレンドリーな予約システムと言えます。
STORES(ストアーズ)予約
操作方法の習得に時間と手間がかかる
STORES予約は「初心者でも操作がかんたん」と評されますが、実際にはパソコンやITツールの操作に不慣れな人にとっては学習コストが意外と高い傾向があります。特に導入初期には、動画マニュアルなどで基本的な操作方法を一から学ぶ必要があり、予想以上の時間や手間がかかるケースも少なくありません。そのため、STORES予約は、予約システム初心者やITスキルが低い人にとっては、導入時の負担が大きいシステムかもしれません。
また、STORES予約は、パソコン操作やITツールに精通した人であっても、直感的な操作性に欠けるという声があります。特に管理画面については、情報通信・インターネット業界で経営企画職を務めるレビュアーは「管理画面が少々ごちゃごちゃしている感じがあり、使い慣れるまで少々時間がかかる」と指摘しています。このように、ある程度のITリテラシーがある人でも、STORES予約を効果的に使いこなすまでには予想以上の学習期間や手間が必要になる場合があります。
ネットショップ連携における課題
STORES予約はネットショップと連携できるため初心者にもおすすめとされていますが、実際には「在庫の同期」に関する問題が指摘されています。具体的には、CSVファイルを用いて在庫を一括更新する際、その作業中に注文が入ると、更新後の在庫数がリアルタイムの売買状況とズレてしまいます。
ズレが発生した場合には、手作業による再調整が必要となります。こうした手間は、物販初心者にとって想像以上に複雑であり、運用のハードルを高くする要因になっています。STORES予約を利用する際には、このような運用上の注意点を理解したうえで、システムを活用することが重要です。
無料プランの機能制限と注意点
STORES予約は「無料で手軽に始められる」と評価されていますが、無料プランには以下のような具体的な制限があるため、長期的な運用には注意が必要です。
- 公開可能な予約ページが2ページまで
- スタッフ登録ができない
特にスタッフ登録機能がないことは、複数のスタッフで運営する店舗にとって注意すべき点です。スタッフごとのスケジュール管理が必要になると、早期に有料プランへの移行が必要になります。また、小規模経営であっても、少しでもサービスを拡充するとすぐに無料プランの限界に達しやすく、当初の予想を超えたコスト負担が発生する可能性があります。
予約画面の操作性に関する課題
STORES予約の予約画面については、設計上の課題が指摘されています。企業向け基盤システムを提供するSAPジャパン株式会社に勤務するレビュアーは、「イベント予約のカレンダー画面の遷移に難があるケースが見られるため、ユーザーフレンドリーな操作手順に変更してもらいたい」と述べています。さらに、予約者視点でも問題が挙がっており、株式会社千趣会に勤務するレビュアーは、カレンダー画面について「ある日付を選択して戻ると毎回当日の日付に戻ってしまい使いづらい」という予約者の声を紹介しています。
こうした予約フローにおけるUI・UX設計の課題は、特に予約システムを初めて利用するユーザーにとって大きな負担となり、操作ミスや離脱を引き起こす可能性があります。
まとめ
本記事では、初心者が予約システムを導入する際に重視すべき「導入の手軽さ」「スタッフの操作性」「無料プランの充実度」「顧客側の使いやすさ」の4つの観点から、RESERVA(レゼルバ)とSTORES予約を比較しました。
RESERVAは、約3分で完了する導入の手軽さ、直感的に操作できる管理画面、無料プランの機能充実度、エンドユーザーにとって迷わず操作できるユーザーフレンドリーな画面設計が特徴です。業種別の専門的な機能やセキュリティ面でも高評価を得ており、初心者から大規模な組織まで幅広い支持を集めています。
一方、STORES予約は、ネットショップとの連携が強みですが、初心者には操作習得に時間がかかること、無料プランでのページ数やスタッフ管理機能に制約があることなど、運用にあたり注意が必要なポイントがあります。また、予約画面の使い勝手やネットショップとの在庫同期の面でも課題が指摘されています。
初心者や店舗運営者がオンライン予約システムを選ぶ際には、ただ単に導入がかんたんというイメージだけでなく、「自社の運用規模やスタッフのITスキルに合っているか」「無料プランでどの程度運用できるか」「顧客がスムーズに予約できるか」といった具体的なポイントをよく検討することが重要です。
本記事が、予約システム選びに迷っている方のニーズに合った最適なシステム選びの一助となれば幸いです。