【国内・海外導入事例付き】テクノロジーを駆使した最新フィットネスを紹介!

【国内・海外導入事例付き】テクノロジーを駆使した最新フィットネスを紹介!

日本のフィットネス業界は、緊急事態宣言による臨時休業の影響や施設の感染対策に対する不安視から、大きな打撃を受けています。経済産業省が実施している「特定サービス産業動態統計調査」によると、2020年のフィットネス年間利用者数は大幅に減少しました。

しかし、新型コロナウイルスの感染対策の1つとして、「病気になりにくい体づくり」に対する関心を持つ人が増えている状況を利用して、各フィットネスクラブは様々な工夫を凝らし、集客を取り戻そうとしています。その1つが「最新テクノロジーを駆使したトレーニング環境づくり」です。

今回は、国内・海外の「フィットネス×IT事業」を取り上げて、最新のフィットネスを紹介します。

国内の最新フィットネス事業

イオンスポーツクラブ「温度検知機能付き顔認証システム」

2021年3月に、「イオンスポーツクラブ」は、日本コンピュータビジョン株式会社製の温度検知機能付き顔認証システム「SenseThunder(読み仮名:センスサンダー)」を導入しました。

「SenseThunder」は、AIを活用した顔認証機能赤外線サーモグラフィーによる温度検知機能を兼ね備えたシステムです。マスクを着用したままでも0.5秒でスピーディーに認証することができ、新型コロナウィルスの感染拡大防止対策として注目を集めています。

さらに、「イオンスポーツクラブ 3FIT 新利府店」では、「SenseThunder」が店舗エントランスの自動ドアと連携しており、体温チェック・顔認証の後に、「顔パス」で自動開錠する仕組みになっています。

nicoriGYM「電子カルテ」

従来、電子カルテは、医師が患者の診療経過を紙に書いていた記録を、データベース化したものを指していました。病院やクリニックと同様に、会員の健康管理を行うフィットネスジムでも、問診内容、姿勢、トレーニングメニューの作成など、トレーニング指導に必要な情報を一元管理した電子カルテが導入されています。

江東区に店舗を構える「nicoriGYM」では、CLIMB Factory株式会社製の電子カルテ「CLMB TR」を活用しています。

「CLIMB TR」には、記録(健康状態や過去の運動歴、トレーニングの目的などの情報)・フィードバック(撮影した姿勢や動作に基づくアドバイス)・評価(身体の状態を分析)・計画(トレーニングメニューの作成)の4つの機能があり、スタッフ内で情報を共有することができます。また、会員の改善点を可視化することで説得力のあるトレーニングメニューの提供にも貢献しています。

シンワメディカルフィットネス「ウェルネス・キー」

ウェルネス・キーとは、各マシンで実施したトレーニング内容を保存できる、ICチップが内蔵された記録メディアです。会員は自分のキーを持ち、各マシンのキーリーダーに差して利用します。

江東区にある「シンワメディカルフィットネス」では、テクノジム株式会社製品のウェルネス・キー「Technogym Key(読み仮名:テクノジムキー)」を導入しています。

ウェルネスキーは、様々な機能があり、業務の効率化と満足度の高いトレーニングメニューの提供に役立っています。

・トレーナーが処方したプログラムをキーから読み取り、自動でスタート。終了後は消費カロリー、走行距離を記録。
・ステーションとなるタッチモニター式の端末で、測定値の登録やトレーニング結果を確認。
・アプリを使うと、ジムトレーニングとランニングのような屋外のトレーニング、日常の動作による運動量の一括集計を可能に。

スポーツクラブ A-1 笹塚店「ジム運営のAI化」

近年、様々な場面で耳にする「AI(Artificial Intelligence)」ですが、AIの強みを活かしたフィットネスジムの運営は、人件費削減と会員の安心な施設利用を同時に実現することができます。

「スポーツクラブ A-1 笹塚」では、コロナ禍での24時間営業を効率化するため、株式会社Opt Fit製のAI化サービス「GYMDX」を導入しました。「GYMDX」はジム内に設置されたカメラを用いて、運営をAI化することで、運営コストを削減しつつ会員満足度を向上させることに役立ちます。主な機能は3つです。

AI監視機能では、倒れている人の検知や混雑状況の把握が可能になり、器具利用率分析機能では、時間別・器具別のマシン利用率の把握が可能になります。従来負担となっていた夜間業務や監視業務がAIに代替されることで、スタッフの業務が軽減し、会員が求めている器具の導入を積極的に進めることで、顧客満足度の向上にもつながります。

FURDI(ファディー)「AIマシン」

女性専用パーソナルトレーニングジム「FURDI」は、ヨーロッパを中心に550店舗展開されており、日本には2019年に初上陸しました。最先端トレーニングとして注目されているのが、独自のAIを組み込んだマシンの導入です。

会員はAI搭載の大型モニターの前に立ち、約200種類のトレーニングメニューの中から、年齢・体力・目的に沿って提供されたプログラムを実施します。運動中にはAIマシンの内蔵カメラが、「角度・速度・タイミング」など多角的に分析してエクササイズのアドバイスをします。専属トレーナーとAIトレーナーを両立することで、パーソナルトレーニングの質を下げないまま人件費の削減やスタッフの負担軽減を実現させています。

 

海外の最新フィットネス事業

日本は国民皆保険で、体に不調があれば、すぐに病院で診療を受けることができます。しかし、世界には誰もが保険に入れる公的保険がない国もあり、そのような国では、高額な民間の保険に入るのではなく、自ら健康管理を行う意識が芽生えます。

海外のフィットネス業界は、日本と同様新型コロナウイルスの影響で、大きな打撃を受けており、以下のキーワードが新たに注目を集めています。

①パーソナル
②ホームワークアウト
③ウェアラブル

Mirror「バーチャルフィットネス」

「Mirror」は鏡を使った自宅フィットネスを提供するニューヨークのスタートアップ企業です。アメリカの著名歌手が、誕生日プレゼントとして「Mirror」をもらった動画をSNSにアップしたところ、世界中から次世代型フィットネスとして注目されました。

Mirrorの最大の魅力は、鏡とディスプレイが1つになっていることです。自宅に設置するインテリアとして、景観を邪魔しないデザインとなっており、利用者はフィットネス動画と自分の姿を比べながら、トレーニングを行うことができます。さらにカメラ機能も搭載されているため、遠隔からインストラクターがトレーニング状況を把握し、アドバイスすることもできます。

orange theory「ウェアラブルジム」

「ウェアラブルジム」とは、スマートウォッチに代表されるような「身体に身に着けられる端末」を活用したジムのことを指します。「orange theory」は2010にアメリカで生まれ、心拍数に基づく高強度インターバルトレーニング(HIIT)を提供しています。

少人数のグループトレーニングでは、参加者がウェアラブル端末を装着し、各々の心拍数がスタジオ内の大型モニターにリアルタイムに表示されます。そして心拍数の増加とともに、モニターの色が変化し、心拍数が高まった状態かどうかをリアルタイムで確認しながら、効果的なトレーニングを実践することができます。

ウェアラブル端末でできること

トレーニングとの相性が良いウェアラブル端末は、現在様々な商品が市販で販売されています。その代表例が、Apple Watchです。Apple WatchとはAppleが販売しているスマートウォッチで、現在は(2021年5月24日時点)、Apple Watch Series 3(第3世代)、Series 6(第6世代)、Apple Watch SEの3つが販売されています。

Apple Watchには運動や健康管理に役立つ機能がたくさん備わっています。特に「ワークアウト」「アクティビティ」機能を活用することで、運動の記録を可視化することができます。

Apple Watchの「ワークアウト」アプリを立ち上げると、ウォーキング、ランニング、サイクリング、ヨガなどの様々なワークアウトが揃っており、例えばウォーキングの場合、時間、消費カロリー、心拍数、距離が表示されます。最初から計測するだけではなく、予めゴールを設定したトレーニングを行い、目標が達成できた時点で終了を知らせてくれます。

そして、「ワークアウト」の履歴も含め、日常のすべての「動き」を記録できるのが、「アクティビティ」です。3色のリングはそれぞれ、「赤:ムーブ(消費カロリー量)」「黄緑:エクササイズ(早歩き以上の運動をした時間)」「水色:スタンド(立ち上がり1分以上体を動かした時間の合計)」を表していて、1日の活動目標を達成すると、リングが1周し、完成します。

まとめ

今回は、国内・海外の「フィットネス×IT事業」を取り上げて、最新のフィットネスを紹介しました。

フィットネス分野でのITの活用というと、スタッフの負担軽減・事務作業の効率化といった運営面でのメリットに注目してしまいますが、会員側にもトレーニングの質や効果を高める多くのシステムが存在します。トレーナーの会員管理だけではなく、会員自身が運動データを記録し、成果をスマートフォンやウェアラブル端末で可視化することで、新たなフィットネスクラブの活用の仕方が発見できるかもしれません。

新型コロナウイルスの感染対策とともに、新しい設備への投資が進められる今を契機に、最新フィットネスへの転換を検討してみてはいかがでしょうか。