コロナ禍の事業経営という未曾有の事態において、資金繰りにお困りの事業者の方も多くいらっしゃると思います。カードローン、ビジネスローン(事業ローン)、フリーローンなど様々なワードは聞いたことがあっても、説明できる方は少ないと思われます。
この記事ではローンについて、実際に借入することがはじめての方でもわかりやすく解説します。
ローンとは
ローンとは、英語の”Loan”に由来し、これは直訳で「何かを貸す」「貸付する」ことを指します。借りる側の立場からすると、「借入する」ことを指します。主に銀行などからお金を借りて、あとから利息と一緒に少しずつ借りたお金を返す、これが「ローン」です。
私生活においても「住宅ローン」や「自動車ローン」などは一般的によく耳にする言葉かと思います。ビジネスにおいては、事業資金を銀行などの金融機関などがサポートする「事業ローン」がよく知られているものです。
ローンとクレジットの違い
「ローン」はわかりやすく言えば、銀行や金融機関に「借金」をし、「あとから分割された返済額を返していく」ことが定義とされます。
対して、「クレジット」とは「クレジットカード」に代表されるように、「購入した時点よりも後から支払いを行う」ことを指します。手元に現金が無い場合にクレジットカード会社が一時的に支払いを実行してくれるキャッシュレスなサービスとして世界中で広く知られています。
「クレジット(credit)」とは英語で「信用」を意味し、クレジットカード会社による審査(本人または配偶者の収入が安定しているか、過去借入履歴にトラブルがないか、等)を通った人(信用がある)が使える決済サービスという意味があります。
なお、クレジットカードの明細には、良く見ると「ショッピング枠」と「キャッシング枠」の2つがあることが分かります。「ショッピング枠」とは買い物や支払いにおいて通常使われるクレジットカードの機能で、「キャッシング」は、急に現金が必要になったときなどにATMから現金を借入れできる機能です。
似た概念として、「カードローン」がありますが、「カードローン」とは、カード会社や金融機関などが提供している、現金の借入に特化したキャッシング専用サービスのことです。あくまでキャッシング枠は、クレジットカードに付随した機能である、ということで違いが分かるかと思います。
一般的に、ローンは「住宅」や「車」など借入目的が明確で高額なものに対し て用いられ返済期間は長期です。クレジットはショッピングや定期支払(光熱 費、交通費等)などの支出において用いられ、返済期間は比較的短期です。ロー ンとクレジットには以上の様な違いがあります。
事業運営に関わるローン
カードローン
前述のとおり、「カードローン」とは、カード会社や金融機関などが提供している、現金の借入に特化したキャッシング専用サービスのことです。
銀行や金融機関等が発行する専用のカードを使い、ご利用可能枠(借入限度額)のなかで、何度でも自由に借り入れを行うことができるのがカードローンです。
TVCMなどでも、「カードローンのご利用は計画的に」という表現に使われています。有名なところですと、SMBCモビット、三井住友銀行、三菱UFJ銀行バンクイック、レイクALSA、プロミス、アコム、アイフルなど大手の広告は目にしたことがあるかと思います。
カードローンの特徴は他のローンとは異なり、その使い道に制限がないことが特徴で、車の購入資金のため、カードローンを使うことが可能です。また、担保がなく、保証人の必要もなく、個人の信用情報をもとにお金を借りることができます。
フリーローン
用途自由、個人向けローンを指します。 結婚費用・旅行費用・引越し費用など制限なく利用することができますが(ただし用途申告を要求されることもあり、事業資金、投資や投機の資金は不可)、1回の申し込みにつき借入回数は1回のみしか受けられないのがフリーローンです。
主に銀行が取り扱い、一部の信販会社・クレジット会社でも取り扱いがあります。フリーローンのほうがカードローンに比べ、金利が低く設定されている場合が多いです。ただし、借入回数が1回であることから、多くはカードローンが主流となっています。
ビジネスローン・事業ローン
銀行などの金融機関が取り扱い、企業や個人事業主向けに、事業資金をサポートするのが事業ローンです。個人事業主向けにもサービスがあることがポイントです。借入の用途については、主に「事業の運転資金」、「つなぎ資金」事業に関する資金などが挙げられます。
本来事業ローンについては公的機関の融資、銀行融資などにもありますが、審査が厳しいことで知られており、審査が通りやすい消費者金融などの民間会社のビジネスローンを選ぶ事業者が多いようです。
ビジネスローンは多種多様で、法人名義で借りられるものや個人名義で借りられるもの、担保の有無や保証人の有無など、ローンの種類ごとに定められている条件が大きく異なります。
また、金利が比較的高い特徴がありますので、消費者金融のビジネスローンを選択される際は返済スケジュールをよく計画することが求められます。
ローンを検討する際の注意点
借入金額
借入をする際は、無理のない返済計画を心がけることが大切です。
金利(利息)
借入には金利(利息)がつくことが一般的です。利息には変動・固定・全期間固定のタイプに分かれており、借入する際は返済計画とともに確認しておく必要があります。
返済の期間
住宅ローンなどにおいては、数十年の返済計画を立てることとなります。ビジネスローンなどにおいても返済計画をしっかり確認しておくことが大切です。
例:JAバンク「住宅ローン返済シミュレーション」
例:アコム「ご返済シミュレーション」
返済方法
銀行、コンビニのATM、口座引き落としで返済できる方法もあれば、インターネットもしくは、窓口で受け付ける金融機関もありますので、返済手段は借入前に確認します。
個人の信用
借入の返済の遅れは、個人の信用を傷つけることとなり、以後の借り入れにおいて審査が下りなくなってしまいます。そうすると、違法な業者、たとえば審査はありません、と誘い寄ってくる金融業者から借り入れをしてしまう、という負の連鎖も起きかねません。
目的と返済計画をしっかり持ったうえで、事業経営のためにローンを正しく活用いただきたいと思います。
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