現実と向き合うアミューズメント業界のDX化で変わる未来

現実と向き合うアミューズメント業界のDX化で変わる未来

新型コロナウイルス感染拡大を機に、人々は外出による娯楽の制限を余儀なくされました。これはアミューズメント業界にとって大きな打撃となり、東京商工リサーチの調べで、テーマパークや遊園地における2020年度の売上高は、前年度比50.5%減少の約4,254億円、前年度約744億円の黒字だった純利益は、約954億円の赤字であったことがわかりました。売上高トップの企業でも売上は、前年度の半分以下で、業界全体で深刻な影響を受けたことがわかります。

行動規制の緩和が進む現在も、コロナ禍の余波を大いに受けており、回復しつつもコロナ禍以前には及ばない売上で、業界の発展は今後の各企業の方針にゆだねられています。特にコロナ禍で家庭用ゲームやトレーディングカードゲームなど、室内で遊べるシステムに注目が集まっており、以前よりテーマパークや遊園地の集客力が重要視され、手腕が問われます。集客において、顧客が行きたいと思うシステムが必須であり、それは施設のグレードアップだけでなく、チケット購入の容易さや安全性が不可欠です。

業務の効率化や生産性の向上の有効打として、DX(デジタルトランスフォーメーション)化が挙げられます。データの収集やシステムによる簡易化は経営側にも顧客側にもメリットがあります。

本記事では、アミューズメント業界でのDX活用をもとに、DX化の重要性と可能性を考えていきます。

アミューズメントにおけるDXとは

まずDXとは、経済産業省の「デジタルガバナンス・コード2.0」で以下のように定義づけされています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

デジタル化によって生産性の向上や業務の効率化を目指し、生活や働き方をより良く変革していくことをDXといい、時代に沿った価値観や社会を形成する目的があります。

例えば、予約システムの導入で「施設の予約・決済・顧客情報をデジタル化し、一元化して管理する」のはDX化の例の1つです。これにより「受付業務の負担の軽減」や「時間の有効活用によるサービスクオリティの向上」が実現可能になり、集客率向上や安全性の高いサービスの提供につながります。

アミューズメント施設は、誰でもかんたんに利用できるサービスを求められるため、DX化による安全性や利便性が必要不可欠です。

アミューズメント施設におけるDX導入例

ここからはアミューズメント施設のDXを導入できるサービスについて、例を挙げて紹介します。

1.予約システム

予約システムは予約受付→決済→顧客管理→集客まですべて自動化し、データ管理の効率化を可能にします。

RESERVA(レゼルバ)」は350種以上の業種に対応しており、フリープランを含む6種類のプランを用途やニーズにあわせて選択できる、業界No.1の実績を誇っています。突然のキャンセルを防止できるオンライン決済機能や海外の顧客も多いアミューズメントにあわせたマルチカレンシー(多通貨)表示機能など多岐にわたる機能で業務のサポートが可能です。

実際の活用事例として下記の記事をご参照ください。
導入事例:RESERVA活用事例|釣って見つけるぼうけんの国 湘南釣堀【アミューズメント施設】

2.AI顔認証

AI顔認証は、顔領域、目、鼻、口などの位置や大きさをもとにして照合を行う認証方式で、不正抑止の高さや非接触、特別な専用装置が不要な点など非常に優れた特長を持っています。

富士急ハイランド」では、2018年から顔認証システムを導入し、アトラクションへのスムーズな乗車、入退場の把握により、快適さと安全性を実現しました。それだけでなく2020年以降では、滞在人員を適切に把握し、密を回避することでコロナ禍でも安心して楽しめるシステムの構築に成功しています。利用者の滞在時間から、時期ごとの人材の配置や消耗品の供給を割り出せるため、業務の効率化と生産性の向上が可能です。

3.デジタルサイネージ

デジタルサイネージは、ディスプレイなどの電子表示機器を用いて、情報発信を行うメディアで、現在さまざまな施設・機関で利用されています。広告としての役割以外に、駅や空港の案内板、屋内の地図、避難経路、アート、ニュースなど幅広い目的にあわせた利用が可能です。ペーパーレスで、利用方法を1つに絞らないため、今後の社会の価値観にあうシステムを実現しています。

株式会社アメイジングポケットは、多岐にわたる企業にデジタルサイネージを導入しています。映画館では、売店のコルトンボックスを4Kデジタルメニューボードに変更し、購買意欲を掻き立てる演出を組み込んでおり、集客率・生産性の向上につながっています。

アミューズメント業界がDX導入で進む未来

新型コロナウイルス感染防止の行動規制緩和で業界の活気は、戻っていきます。コロナ禍での入場制限が解除され、コロナ禍以前と同等の客足が予想され、集客力が不可欠です。予約サイトやAI顔認証などで、利用者が利便性安全性を感じ、DX導入以前より魅力的なサービスになっています。他にもいろいろな技術があり、オンラインクレーンゲームなど、オンラインのアミューズメント展開は、場所や時間を問わないことから、一定のニーズが期待されます。

ウイルス感染対策から増加したDX化のサービスは、コロナ禍後も絶えず更なる集客が見込まれるでしょう。

まとめ

テーマパークや遊園地の室外のアミューズメント施設は、コロナ禍の影響を大きく受けましたが、DXの導入によって安全性を保持していました。室内のアミューズメントの多様化が進み、室内・室外ともに需要が増加し、業界全体の勢いが盛んになっています。DX化が進んだ新しい業界のスタイルは、多くの人々に認識され、日常になっていきます。

コロナ禍をきっかけにDX化が進んだアミューズメント業界は、今後もDXの導入で経営側も利用者も快適なサービスを実現していくでしょう。