人口減少が進む近年、女性や高齢者、外国人など多様な人材の力を活かすことが、企業や組織の競争力を強化するために欠かせない要素となっています。特に、政府は「女性躍進推進法」や各種政策を通じて、女性のキャリア支援や職場環境の改善を積極的に推進してきました。このような取り組みの影響もあり、女性の社会進出率は年々向上しています。
女性の活躍が顕著な分野の1つに、獣医の仕事があります。近年、動物病院や家畜診療所で働く女性獣医師が増加傾向にあり、業界において欠かせない存在になっています。しかし、結婚や出産、育児との両立が難しいために現場を離れる獣医師も多く、女性が働きやすい職場づくりが求められています。
本記事では、女性獣医師が直面する課題や、女性が長く活躍できる職場環境を整えるための支援策、さらに業務効率化に役立つ予約システムについて解説します。
女性獣医師の現状
増加する女性獣医師
農林水産省が公表した『獣医師の届出状況(獣医師数)』によると、令和2年時点で獣医事に従事する獣医師のうち3分の1以上が女性であり、若年層ほど女性の割合が高まっていることがわかりました。
さらに、獣医学生の半数以上は女性であるため、今後女性獣医師の割合はさらに増加することが予想されています。
ワークライフバランスの問題
女性獣医師は増加傾向にあるものの、仕事と結婚や出産・育児との両立が難しいという課題もあります。
獣医師として働くには、獣医系大学で6年間の学びと研修を経た後、獣医師国家試験に合格する必要があり、就業開始は早くても20代半ばとなります。一方、「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、2021年度の日本における女性の平均初婚年齢は29.4歳であり、第1子出生時の平均年齢は30.9歳です。
26歳でキャリアをスタートさせ、30歳前後で出産・育児というライフプランを想定すると、女性獣医師は、キャリアを積むための十分な時間を確保できません。そのため、仕事と結婚や出産・育児の両立が、女性獣医師が直面する大きな課題となります。
実際、先述した農林水産省『獣医師の届出状況(獣医師数)』によると、資格を持ちながらも獣医業務に従事していない人の割合は、20~50代において、男性獣医師が平均1.9%(1.2~3.9%)であるのに対し、女性獣医師では約6.8%(4.7~8.3%)に上ります。このことからも、女性獣医師が働きやすい環境が整っていないことは明らかです。
日本獣医師会が行う取り組みの紹介
こうした背景を踏まえ、日本獣医師会が取り組んでいる支援策について紹介します。
女性獣医師就業支援研修
日本獣医師会は、農林水産省の補助を受け、女性獣医師就業支援研修を実施しています。この研修は、産業動物診療や家畜衛生の分野で職場復帰や再就職を希望する女性獣医師を対象に、就業に必要な最新の知識の取得や獣医療技術の向上を目的に行われています。
これによって、出産や結婚などで一度職場を離れた人も、必要なスキルを再び身につけ、再就職に臨むことができます。
女性獣医師応援ポータルサイト
日本獣医師会は、女性獣医師応援ポータルサイトを運営しています。このサイトは、女性獣医師を含むすべての獣医師が活躍しやすい環境づくりをめざし、有益な情報や支援策を案内するために開設されました。
研修情報、求人情報、eラーニング教材などを幅広く紹介しており、現役の獣医師、再就職を目指す人、獣医系学生それぞれのキャリアに応じた情報が充実しています。
獣医学生向けセミナー
日本獣医師会は、「男女ともに獣医師として活躍を続けるためのセミナー」を各獣医系大学で実施しており、令和3年度以降はオンラインにて配信しています。
獣医系の大学に通う女性の学生は、この動画を視聴することで獣医師の現場の実態や働き方をかんたんに知ることができます。それにより、女性獣医師としての将来のキャリアについて、より具体的なビジョンを持ちやすくなります。
女性獣医師が働きやすい職場をつくる病院の施策
産休・育休制度の整備
女性獣医師の働きやすい職場づくりにあたってまず重要なのは、産休・育休制度の整備です。
労働基準法における母性保護規定により、産休・育休制度の導入は、事業主に義務付けられています。しかし、産休・育休制度が病院に用意されていても、実際には取得しづらいケースは珍しくありません。規制や制度を設けるだけでなく、正しく誰もが使えるような構造的課題解決とスタッフの意識改革が必要です。
また、法律はあくまでも最低限の期間しか義務付けられていません。病院が育休や短時間勤務などの期間をより柔軟に設定することで、女性獣医師の働きやすい職場が実現します。
柔軟な勤務体制
柔軟な勤務体制を敷くことで、子育て中でも安心して女性が働けます。短時間勤務制やフレックスタイム制を導入することにより、女性獣医師は子供の送り迎えなどの家庭状況に合わせて、柔軟に勤務体系を変更できます。また、在宅勤務を取り入れることで、子育ての時間を増やすことが可能です。
DX推進による業務効率化
DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、業務効率化を図ることも大切です。業務の見直しとデジタル化を実現すれば、短時間勤務でも効率よく業務をこなせます。時短勤務ではないスタッフにとっても、残業時間を減らせるなどのメリットがあり、病院全体でワークライフバランスの向上が目指せます。
動物病院向けの予約システムとは
予約システムとは、動物病院の予約や利用者の管理を自動で行うシステムです。予約受付における業務の効率化はもちろん、集患に役立つ機能を数多く搭載しています。ここでは、予約管理システムの導入メリットと、動物病院の運営に役立つ予約システムの機能について解説します。
予約システムの導入メリット
予約管理システムを導入することで、病院はさまざまなメリットを得られます。
・業務効率化
予約システムは予約受付や利用者情報を自動で管理するため、紙やExcelの必要がなくなります。書き間違いや聞き間違いなどの人為的ミスも発生しなくなり、正確で効率的な動物病院の運営が実現します。
・費用削減
予約システムの自動管理機能は、費用の削減にも効果的です。予約や利用者の情報をデータ化できるため、大量の紙や管理するスタッフのコストを削減可能です。
・マーケティングの強化
予約管理システムを通じて集められる患者のデータを分析し、ターゲット市場やニーズの動向を把握することができます。このデータを基に、効果的なマーケティング戦略を立てられます。
・患者体験の向上
予約の確認や変更をオンラインでかんたんに行えるため、患者の利便性が向上します。また、待ち時間の短縮やスムーズな受付が実現し、病院へのロイヤルティも高まります。
動物病院の運営に役立つ予約システムの機能
オンラインカード決済機能
オンラインカード決済機能は、オンライン予約時にクレジットカードで決済できる機能です。これによって患者は事前に医療費を決済できるため、病院は受付で行う支払い業務を削減できます。
カルテ機能
カルテ機能は、患者対応時のメモを登録し、利用履歴に基づいて患者ごとの記録を確認できる機能です。これにより、予約ごとに患者の症状がどのように変化しているかを継続的に把握できます。
また、獣医師間でデータを引き継ぐことが容易であるため、医師が変わっても患者に寄り添ったきめ細かいサービスを提供できます。
予約時アンケート機能
予約時アンケート機能は、予約受付時に事前アンケートの入力を促す機能です。質問の形式はラジオボタン(単一選択型)、チェックボックス(複数選択型)、プルダウン、テキストボックスから選択可能です。事前に患者からアンケートを入力してもらうことで、問診票の代わりにすることができます。
まとめ
本記事では、女性獣医師の現状や、女性が働きやすい職場づくりを実現する経営施策、動物病院向けの予約システムについて解説しました。動物病院は女性が働きやすい職場を整えることで、優秀な獣医師を獲得できるようになります。
女性獣医師が働きやすい職場づくりを考えている事業者や医師の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
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画像引用元:RESERVA公式ホームページ
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