需要を伸ばすフードロボットについて徹底解説|国内の注目企業も紹介

需要を伸ばすフードロボットについて徹底解説|国内の注目企業も紹介

近年フードテックが注目され、日々市場が成長している中で、その一分野であるフードロボットの分野においても非常に急速な成長が見られます。

ASD Reportsによれば、世界におけるフードロボットの市場規模は、2020年時点の19億USDから、2026年には40億USDにまで達する見込みです。(引用:ASD Reports「Food Robotics Market – Trends & Forecast to 2026」

この記事ではフードロボットの国内市場に着目し、そもそもフードロボットとは何なのか、国内にはどのようなプロダクトが存在するのかについて解説します。最先端のテクノロジーを活用したフードテックビジネスの勢いに乗り遅れないためにも、この記事は必見です。

フードロボットとは

フードロボットとは、飲食店や大規模調理施設などにおいて、調理や配膳、食器の製造などを行うロボットのことです。

この記事では飲食店など、私たちにとって工場などよりも身近な現場で活躍するロボットを紹介しますが、食品工場での生産に使われるロボットを指すこともあります。

近年話題になった「変なレストラン」などは、完全自動化にこそ至ってはいないものの、フードロボットの見本市ともいえる存在でしょう。

画像引用元:時事通信「ロボットが仕切る「変なレストラン」 写真特集」

国内フードロボット市場が伸びるワケ

国内においてフードロボット市場が急成長している背景には、労働力の不足と、食品安全性への関心の向上があります。

少子高齢化が進む国内では、飲食サービス業に従事する人材が年々減少し、深刻な労働力不足が常態化しています。政府の方針から、今後は外国人労働者が増加していくことも予想されますが、それでも国内の少子高齢化、人口減少のペースには歯止めがかからないうえ、外国人の雇用には、業務上のトラブルなど新たな問題が生じてきます。

また、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、働き方、食事の在り方の多様化が促進され、そうした中で業績を伸ばしたフードデリバリーに代表される中食需要が急増したことに伴って、食品安全性についての関心も高まってきています。

フードロボットはこれらの課題を同時に解決することができます。労働力を獲得することができ、また適切な管理を行うことで、人間が作業するよりも高い衛生レベルを維持できます。そうした理由から、国内の飲食関連産業における問題を一挙に解決するソリューションとして、フードロボットは大きな期待を集めています。

注目の国内フードロボット企業5選

ここでは、国内における注目のフードロボット企業とそのプロダクトを5選紹介します。どれも第一線で活躍するフードロボットを提供している、将来有望な企業です。

コネクテッドロボティクス

コネクテッドロボティクスは、東京都小金井市の東京農工大学・多摩小金井ベンチャーポートに本社を構えるテクノロジー企業で、そば、ホットスナックなどの自動調理ロボットや、食器を自動で洗浄する食洗器ロボットなど、さまざまなフードロボットを設計し、国内の様々な飲食店や調理施設で導入が進んでいます。

同社については、別記事「独自開発のハエを肥料に?ご飯のサブスクとは?|国内の注目フードテック企業5選」でも紹介しています。

 

画像引用元:コネクテッドロボティクス公式サイト

コネクテッドロボティクスの事業

同社は主に調理用ロボットを開発し、国内の事業所に提供しています。また、食品の検品・盛り付けを行うロボットや、ベルトコンベアで自動で食器を洗浄する食洗器ロボットも提供しています。

同社の提供する調理ロボットでは、ソフトクリームを自動で盛り付け、顧客に提供するというコンパクトでシンプルなソフトクリームロボットから、冷蔵庫からフライヤー、ショーケースまでが一体となり、ロボットアームで調理から陳列まで行うことのできるフライヤーロボットなど、非常に多岐にわたるラインナップがあります。

映像引用元:YouTubeチャンネル「Connected Robotics」

人間と協働するものでは、そばの茹でから湯切りまでを行ってくれるそばロボット、また近年の「インスタ映え」「TikTok」ブームで需要が見込まれる、シェフコラボロボットなどがあります。

映像引用元:YouTubeチャンネル「Connected Robotics」

コネクテッドロボティクスはYouTubeに公式チャンネルを開設しており、同社の商品や、見本市・EXPO等への出展の様子などが紹介されています。

コネクテッドロボティクス公式YouTubeチャンネル:「Connected Robotics」

TechMagic(テックマジック)

TechMagicは、人手不足や生産性の低いコスト構造を解決すること、また、人々に食の驚きと感動を提供することを目指し各種ロボットの開発を行っているテクノロジー企業です。

2021年9月にはシリーズBラウンドの資金調達を果たし、日清食品ホールディングスやSBIインベストメントといった大企業から計15億円を調達しました。

 

画像引用元:TechMagic公式サイト

TechMagicの事業

TechMagicは人材コストの削減を重視した製品を開発しており、食器を選別するロボットや、グラスを適切に傾け高速にドリンクを作るロボットなど、AIを活用したフードロボットを提供しています。

同社の主力商品の1つであるドリンクロボットは、昨今の新型コロナウイルスの流行を鑑み、直接口の触れるドリンクグラスを非接触で提供できることを訴求のポイントにしています。

 

映像引用元:YouTubeチャンネル「TechMagic株式会社」

同社は今後、調達した資金を活用して、2021年下期から実店舗導入予定のパスタ調理ロボット量産化に向けた製造・保守メンテナンス体制の構築を強化するとともに、ハードウェア・ソフトウェア技術の研究開発を強化し、新たな食体験の創造を目的とした新規事業の開発に取り組んでいく方針です。

TechMagicも公式YouTubeチャンネルを開設しており、同社の最新プロダクトが実際に稼働する様子を見ることができます。

TechMagic公式YouTubeチャンネル:「TechMagic株式会社」

ソフトバンクロボティクス

ソフトバンクロボティクスはソフトバンクのグループ企業で、過去には一世を風靡したロボット・Pepper(ペッパー)の開発で知られています。

そんな同社が提供するのが、配膳ロボット「Servi(サーヴィー)」です。

 

画像引用元:ソフトバンクロボティクス公式サイト

配膳ロボット「Servi」

画像引用元:ソフトバンクロボティクス公式サイト

Serviは自動で料理を配膳し、下膳まで行うことのできるロボットで、店舗の回転率向上や人件費の削減に貢献します。3Dカメラが搭載されており、歩行者にぶつかることなくスムーズに配膳ができます。操作も非常にシンプルで、導入に際して煩雑な研修などが必要になることはありません。

国内ではすでに数々の大手チェーン店で導入が進んでおり、今後もさらに浸透していくことが予想されます。

アールティ

アールティは人工知能・機械学習を活用した製品を開発・製造しているテクノロジー企業で、フードテックロボット「Foodly(フードリー)」を提供しています。高い技術力を生かして、フードロボットの他にも研究・教育用ロボットなどを製造しています。

メディアへの露出も増えており、2021年9月には地上波民放キー局2社の報道番組で取り上げられました。

 

協働型フードロボット「Foodly」

FoodlyはAIで食材を認識し自動で選別、トレイやパックに盛り付けを行うロボットです。人と協働することを前提として開発されており、人と接触しても人・ロボット双方に損傷のない設計がなされているほか、人型であることによって親しみやすさを演出しています。

Foodlyの他にはない特徴として、ソフトウェアからハードウェアまですべて自社で設計を行っているという点があり、そのためFoodlyは顧客の希望に応じて最適にカスタマイズを行うことができます。

前述のメディア露出もあって、今後さらに普及していくとともに更なる進化も期待される注目のフードロボットです。

映像引用元:YouTubeチャンネル「Foodly開発室 株式会社アールティ」

アールティはFoodly開発室の公式YouTubeチャンネルを設立しており、Foodlyの実際の稼働風景のほか、Foodlyがさまざまな食材をピッキングするという面白い動画も見ることができます。

Foodly開発室公式YouTubeチャンネル:「Foodly開発室 株式会社アールティ」

スマイルロボティクス

スマイルロボティクスは自社開発した配膳ロボット「ACUR-C(アキュラシー)」を開発するテクノロジー企業です。

同社の特徴は、東京大学大学院・情報システム工学研究科を卒業し、Google傘下のSCHAFT(シャフト)を経てGoogle Xで働いていたメンバーが集まっており、国内のロボティクスベンチャー企業では最高峰の技術力を有しているという点です。

 

画像引用元:スマイルロボティクス公式サイト

配膳ロボット「ACUR-C」

同社の配膳ロボット「ACUR-C」は、自立稼働し配膳・下膳を行うことのできるロボットです。先に紹介したソフトバンクロボティクスの「Servi」と比較すると、ACUR-Cの方が本体のサイズは大きいものの、ACUR-Cはロボットアームを装備しており、人の手を借りずに積み下ろしが可能です。

また、比較的大きな体躯はその堅牢な機構ゆえのものであり、ロボットが障害物と接触した際に積載物が破損、飛散するリスクを最大限軽減しています。

画像引用元:スマイルロボティクス公式サイト

同社は、一度は国外に流出してしまった人材が再び国内に集結したという、国内テクノロジー産業の希望ともいえる存在であり、同社のような企業が今後もっと増えていくためにも、技術者・起業家への支援が今まで以上になされるようになることが望まれます。

まとめ

今回はフードロボットについての解説と、国内における有望な企業を5社紹介しました。

日本のテクノロジーの進歩は欧米諸国に置いていかれ気味、といったことが言われて久しいですが、国内にも将来有望な企業は存在します。

新型コロナウイルスの流行もあり、今後より一層の伸びが期待されるフードテック・フードロボット業界からは今後も目が離せません。