独自開発のハエを肥料に?ご飯のサブスクとは?|国内の注目フードテック企業5選

独自開発のハエを肥料に?ご飯のサブスクとは?|国内の注目フードテック企業5選

欧米を中心にフードテックは日進月歩で進化しており、特にここ数年でフードテックに携わる企業の数は飛躍的に増加しました。今後国内においてもフードテックは間違いなく盛り上がっていく産業であると考えられ、すでに特色ある企業がいくつも現れています。

また、一緒くたにフードテックといっても、そこにはさまざまなビジネスモデルがあり、バイオテクノロジーからアプローチする企業もあれば、ITを活用したサービスを打ち出す企業もあります。今回は、フードテック業界がいかに幅広いものであるかを伝えるべく、日本国内におけるフードテックの注目企業5社によるロボット、代替肉、バイオテクノロジー、オンラインサービスなど、様々な分野におけるフードテックの実例を紹介します。

国内の注目フードテック企業

フードテックとは、食を意味するフード(Food)テクノロジー(Technology)を組み合わせた造語です。最先端のIT技術を活用して、食の持つ可能性を広げるフードテックは世界から注目を集めています。今後日本の成長産業としても期待されており、最も注目度の高い業界の1つといえます。

フードテックについては、記事「フードテックとは|基礎から学ぶ概要解説!」で詳しく解説しています。

コネクテッドロボティクス|ロボットで調理をアシスト

コネクテッドロボティクスは、東京都にオフィスを構えるフードテックベンチャー企業です。日本の飲食業が直面している人手不足の解決、そして日本食の世界的な広がりをサポートするための調理ロボットシステムを開発しています。

食洗器ロボット

大型施設や食品センターにおける食洗器の利用においては、膨大な量の食器をある方向にそろえる、種類ごとに分ける、などといった単純作業の繰り返しが必要になります。

こうした作業は非常に単純であるゆえに、人間にとってはある種の苦痛を伴うものであり、このような苦痛から従業員を開放するべく、同社が開発したのが「食洗器ロボット」です。

そばロボット

同社の開発したそばロボットは、そばをゆでる工程をロボットで自動化することができます。そばを湯切りに投入するところから、ゆであがったそばを湯切りするところまでやってくれるので、人間はそばを器に盛るだけでそばが完成します。

調理工程の短縮だけでなく、自動化によってそばを誰でも同じように作れるようになることで、そばの海外進出にも役立ちます。

映像引用元:コネクテッドロボティクス公式サイト

コネクテッドロボティクス公式サイト
https://connected-robotics.com/

Green Culture(グリーンカルチャー)|おいしい植物肉を自社開発

Green Culture(グリーンカルチャー)は東京都に本社、埼玉県に生産拠点を置くベンチャー企業です。動物肉の生産のための畜産による、環境負荷や倫理的問題へのソリューションとして、自社開発した植物肉「Green Meat(グリーンミート)」の生産・販売を主に行っています。

同社については、記事「国内フードテック界の注目プロダクト「Green Meat(グリーンミート)」について徹底解説」においても詳しく解説しています。

 

動物性原料不使用の植物肉「Green Meat」

Green Cultureが提供する植物肉「Green Meat」は、同社が研究開発から製造販売までを行う、大豆たんぱく等を原料とした動物性原料不使用の植物肉です。2021年4月に外食事業者向けに販売を開始、同年9月時点で累計30万件の出荷実績を誇ります。

同製品はナゲット、パティ、ウインナーなど、様々な食品を模して生産されており、顧客はECサイトなどを通して購入することができます。

画像引用元:Green Meat公式サイト

Green Culture公式サイト
https://greenculture.co.jp/

ムスカ|イエバエによるバイオマスシステムを実現

ムスカは、ロシアの技術者から旧ソ連の技術に由来する種やノウハウを受け継ぎ、独自の技術で肥料生産用のイエバエを開発するフードテックベンチャーです。

同社は2023年時点では製品の大規模生産は行っておらず、小規模な販売にとどまっていますが、将来的には生産を拡大することが見込まれる注目の企業となっています。

 

画像引用元:ムスカ公式サイト

独自開発されたイエバエのサラブレッド

1960年代、旧ソ連が有人宇宙飛行を計画していた時代に考えられていたのが、イエバエを使った肥料と食糧の自給でした。しかし、旧ソ連の崩壊によって研究の継続は困難になり、現在は同社がその技術と研究を引き継いでいます。

同社は約50年間の間、1200世代にわたる選別交配によってサラブレッド化されたイエバエの種を保有しており、このイエバエは過密空間でのストレスに強く、生産能力が高いという特性を持ち、効率的に繁殖を行わせることが可能です。

 

画像引用元:ムスカ公式サイト

イエバエによる高効率バイオマスシステム

同社はサラブレッド化したイエバエを活用することで、従来の堆肥化(微生物による発酵処理)と比較して、環境面と経済面の両方で利点のあるシステムを開発しました。

具体的には、独自開発のイエバエの出すフン、またはイエバエ自体を飼料や肥料として利用し、そして畜産や養殖業、農業で発生した廃棄物をイエバエのエサとして活用するといった循環により、効率的なバイオマスシステムを実現しています。

また、同社のイエバエにより生産される肥料や飼料は、耐病性付与効果や収穫量の増加などの機能性を持っているということが、大学機関による実証実験により証明されています。

画像引用元:ムスカ公式サイト

ムスカ公式サイト
https://musca.info/

COMP(コンプ)|新時代のバランス栄養食

COMP(コンプ)は、バランス栄養食を自社開発するフードテック企業です。

忙しい日々を過ごす現代人にとって、日々の食生活を考えるのはとても大変なことです。そんな中同社が開発したのが、人の健康に欠かせない必須栄養素を理想的に配合したバランス栄養食であるCOMPです。

ここでは同製品についての詳細を中心に紹介します。

 

画像引用元:COMP公式サイト

必須栄養素を過不足なく配合

健康な食生活においては、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの必須栄養素を過不足なく、バランスよく摂ることが重要です。しかし、これはそうかんたんなことではありません。どの食材にどの栄養素がどれだけ入っているのか、バランスよく摂れているのか、そもそも「バランスよく」とは何か、改めて考えると、「バランスのいい食生活」というのはとても難しいものです。

COMPはこの問題をかんたんに解決します。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」に基づき、COMPには人の健康に欠かせない必須栄養素が独自のバランスで配合されています。

COMPなら、必要な栄養素のすべてを、必要なカロリーに合わせて、好きな時に好きなだけ取ることができるのです。

 

画像引用元:COMP公式サイト

グミタイプ、パウダータイプ、ドリンクタイプ・・・様々なラインナップ

COMPには様々なタイプがあり、ニーズに合わせて選ぶことができます。

時間のないときは水に溶かして飲むパウダータイプ、移動中や小腹が空いた時は片手で食べれるグミタイプ。また、常温保存が可能で自宅や仕事場に常備できるドリンクタイプと、ユーザーそれぞれの生活に合わせたCOMPの取り入れ方が可能です。

体調が悪く食欲がない、といったようなときでも、COMPならしっかりとカロリーや栄養素を摂ることができます。

 

画像引用元:COMP公式サイト

COMP公式サイト
https://www.comp.jp/

POTLUCK(ポットラック)|サブスクで毎日のご飯をテイクアウト

POTLUCK(ポットラック)は、サービス加盟店の料理を定額制でテイクアウトすることのできるサービスです。

同サービスはスマートフォンのアプリで提供されており、2023年現在、加盟店は東京都渋谷区周辺に集中していますが、今後も加盟店は全国に増えていくことが予想され、要チェックのサービスとなっています。

 

画像引用元:POTLUCK公式サイト

アプリからの事前予約でさまざまなメニューを待たずに受け取り

POTLUCKは定額制サービスで、1日2回までの注文が可能です。格安でサービスを体験できるトライアルプランも用意されています。

アプリから事前予約を行うことで、予約した時間に店舗ですぐに受け取りを行うことが可能です。混雑するランチタイムに利用したり、帰宅時に通り道にある店舗で受け取るなど、忙しい現代人には心強いサービスです。

POTLUCKには様々な加盟店があり、利用できるメニューのジャンルも様々です。今後も提供エリアは拡大していくとしています。

画像引用元:POTLUCK公式サイト

かんたん3STEPで注文可能

POTLUCKの注文手順はとてもシンプルです。アプリを開いたら、まずはメニューを選び、受け取り時間を指定、あとは店舗で受け取るだけです。

アプリをダウンロードしてプランを決めるだけで利用開始できるので、皆さんもぜひ試してみてはいかがでしょうか。

画像引用元:POTLUCK公式サイト

POTLUCK公式サイト
https://www.pot-luck.jp/

まとめ

「食」にまつわる問題には、日々の食生活から、世界規模の食糧不足・環境問題まで、様々なものがあります。そうした問題へのソリューションを提供するフードテック企業を、今回は国内に絞って紹介しました。

今後もフードテックによって引き起こされるイノベーションからは目が離せません。