国内フードテック界の注目プロダクト「Green Meat(グリーンミート)」について徹底解説

国内フードテック界の注目プロダクト「Green Meat(グリーンミート)」について徹底解説

日本発のフードテック企業であるGreen Culture社と、同社が開発・提供する植物肉「Green Meat」について、この記事で徹底解説します。

今日の国際的な動きとして、フードテック業界の盛り上がりがあります。フードテックを活用したサービスやプロダクトの市場における存在感は徐々に増してきており、時代の流れに取り残されないためにも、最新のテクノロジーを「食」に応用したこのプロダクトは必見です。

フードテックとは

フードテック(FoodTech)とは、「Food(食)」と「Technology(科学技術)」を組み合わせた造語で、最先端のデジタル技術を活用して、食の可能性を広げていくことを言います。

日本国内では、農業や漁業といった産業に従事する人材が減少しており、外食産業や食品加工・食品製造業の分野でも労働者不足が課題となっています。そうした現状において、IoT技術・ICT技術といった最新のテクノロジーをソリューションとして活用することが求められています。

フードテックにおけるサービスの例でいえば、まずUber Eatsが筆頭に挙げられます。オンラインでそれぞれ独立した店舗・配達員・顧客をマッチングし、迅速なデリバリーサービスの提供を可能にした、コロナ禍において最も業績を伸ばしたであろうサービスのひとつです。

国内発の企業でいうと、ミドリムシの食材への転用を実現して話題となったユーグレナが挙げられます。同社は現在もミドリムシの研究を続けており、ミドリムシによる人類のサステナビリティの実現を最終的な目標として掲げています。

フードテックの展望

現在、人口の増加に伴う食糧不足や栄養不足が世界規模で進行しており、それに対する解決策としてもフードテックが世界中で注目されています。新たな食の流通の在り方や、AIを利用した生産管理など、最新技術を応用したフードテックには無限の可能性が秘められています。

日本政府もすでにフードテックをひとつの産業としてとらえ、支援していくことを決めています。農林水産省が主導し、民間企業などとともにフードテックに関する法律や基準について議論する協議会も発足しており、国全体を挙げてフードテックを盛り上げる姿勢がみられます。

国内フードテック界の注目株「Green Culture」の「Green Meat」

今日、畜産による環境負荷の問題が叫ばれ、世界中でヴィーガニズムの機運が高まっています。それに伴い日本においてもヴィーガンが増えてきました。そんな中で注目されているのが「植物肉」です。

ヴィーガンの中には、肉は大好きだけれども思想のために食べない、といった人も存在し、そうした人の間で「植物肉」は強いニーズを持っています。また、ヴィーガンでなくとも、持病やその他宗教の問題などで動物の肉を食べられない、という人は多く存在し、植物肉はそうした人たちにも「食べる楽しみ・喜び」を提供することができます。

このようにニーズの高まりつつある植物肉を、国内において研究開発し、生産から販売まで行っているベンチャー企業があります。それが「Green Culture(グリーンカルチャー)」です。

地球と人の健康を考え、植物肉を開発

Green Cultureは2011年に創業し東京都に本社を構えるフードテック企業で、自社で開発した植物肉「Green Meat(グリーンミート)」の販売を行っています。

同社は「畜肉よりおいしくて健康的」な植物肉を人々の食卓へお届けし、サスティナブルな未来を創造することを目標として掲げており、環境問題や健康問題へのソリューションとして植物肉を提供しています。

Green Meatの売れ行きや将来性が高く評価され、同社は2021年7月にシリーズAラウンドで2億5000万円を調達、また亀田製菓株式会社、オイシックス・ラ・大地株式会社と業務提携を締結しました。3社は連携し、国内における植物肉市場を活性化させていくとしています。

画像引用元:Green Culture公式サイト

動物性原料不使用の植物肉「Green Meat」

Green Cultureが提供する植物肉「Green Meat」は、同社が研究開発から製造販売までを行う、大豆たんぱく等を原料とした動物性原料不使用の植物肉です。2021年4月に外食事業者向けに販売を開始、同年9月時点で累計30万件の出荷実績を誇ります。

2020年に開催された展示会「ウェルネスライフジャパン」における展示では、Green Meatを食べた人にアンケート調査を行い、そのうち95%の回答者が「おいしい」と回答しました。

Green Meatはナゲット、パティ、ウインナーなど様々な食品を模して生産されており、顧客はECサイトなどを通して購入することができます。既に北米をはじめ海外への輸出も行っており、2021年春にはマカオへの輸出が決定しました。さらに同年9月現在、欧米豪諸国への輸出計画も進行中です。

画像引用元:Green Culture公式サイト

一般消費者向けのECサイト「Greens’Vegetarian(グリーンズベジタリアン)」

Green Cultureは一般消費者向けに、自社開発のGreen Meatを中心としたベジタリアン・ヴィーガンフードを販売するECサイト「Greens’Vegetarian」を運営しています。

同サイトは、同社の開発する製品を、企業だけでなく一般消費者にも手の届きやすいようにするという目的のもと運営されています。

画像引用元:Greens’Vegetarian公式サイト

フードテックと大学が融合する産学協同プロジェクト「メタモルフード・デリバリー」

コロナ禍において急成長したデリバリー市場において、新しい飲食店の在り方を実現した「ゴーストレストラン研究所」と、東京造形大学インダストリアルデザイン専攻領域・酒井俊彦ゼミナールとの共同で、Green Cultureは「ちょっと先の未来の食」をテーマに「新しい食をデザインする」ことを目的としたプロジェクト「メタモルフード・デリバリー」を始動しました。

ゴーストレストラン研究所が運営する「Ghost Kitchens」と、東京造形大学の学生たちが共同でGreen Meatを使ったメニューを「デザイン」し、実際にデリバリーサービスで販売します。

Uber EatsなどのSaaSデリバリーとGreen Meatの融合により、植物肉の市場へのより一層の浸透が期待されます。

画像引用元:Greens’Vegetarian公式サイト

Green Meat詳細情報

Green Culture、Green Meatに関する詳しい情報はGreen Culture公式サイトをご覧ください。

まとめ

今回はGreen Cultureと、同社の提供する植物肉「Green Meat」について紹介しました。

Green Cultureは、環境問題と人の健康という現在進行形の問題に、最新のテクノロジーを応用したGreen Meatというソリューションで果敢に取り組んでいます。

Green Cultureだけでなく、フードテック業界には最新のテクノロジーを活用したサービスやプロダクトが数多く存在します。今後もフードテックによって引き起こされるイノベーションからは目が離せません。