現在日本では、政府がキャッシュレス化を進めています。それに伴い、スマホ決済の利用者数も増加傾向にあります。また、2020年から流行している新型コロナウイルスの影響で、支払いの際に不特定多数の方が利用している現金を触りたくない方も増え、その時期にスマホ決済の利用を開始した方も多くいます。
しかしながら、スマホ決済の使用者率が増加している分、店舗側でもスマホ決済の導入を進めていかなければ、作業効率の低下や人件費のコスト増加につながってしまいます。また、スマホ決済には、消費者が利用可能なキャンペーンなども頻繁に行われており、導入をしていない店舗にとって、機会損失が起こっている恐れがあります。
本記事では、
・スマホ決済の基本機能
・決算の種類
・適切なアプリを選ぶポイント
・主要4つのスマホ決済アプリ
以上について紹介していきます。
スマホ決済をまだ導入していない、これから導入しようと考えている店舗の方は、ぜひ参考にしてください。
スマホ決済とは
それぞれのスマホに特定のアプリをダウンロードして支払いを行なう決済方法です。スマホ1台あれば、現金を持たずとも商品の購入などの支払いができます。
アプリによっては、使用ごとにポイントを貯めることができ、購入時に蓄積したポイントを使えます。キャンペーンなどもアプリごとに開催されており、消費者の購買意欲向上に結び付きます。店舗側と消費者側双方にとって、メリットがたくさんある決済方法です。
スマホ決済の2つの種類
スマホ決済の方法として非接触型IC決済とQRコード決済の2つがあります。どちらとも、消費者と店舗側との密なやりとりがなく、スピーディーな決済を可能としているので、レジまでの長蛇の列ができてしまうなどの悩みの解決につながります。
非接触型IC決済
非接触ICチップが搭載されているスマホ(NFC、FeliCa、Bluetoothなど)を専用の機械に近づけることで決済される方法です。スマホ決済アプリにアプリとの連携可能なクレジットカードや電子マネーなどを登録しておき、支払い時に決済が行われます。
スマホ決済使用者が、自身でスマホを近づけて支払うので素早い決済が可能です。
QRコード決済
QRコードを使用者側がスマホの画面に表示し、店舗側がコードを読み取り金額を入力すると決済が行われます。非接触型IC決済と同様、利用者以外の人がスマホに触れることはないので、スムーズに支払いがされます。
非接触ICチップが搭載されていないスマートフォンでも利用可能な特徴があります。
スマホ決済の基本機能
消費者側のメリット
・財布なしでの決済
・個人間の送金
・ポイントが貯まる
・支払い履歴のチェック
財布なしでの決済
レジ前での現金のやりとりなく、決済が可能です。また、現金が必要ではなくなったので、消費者の所持金が足りない状況は起こらず、ATMに現金をおろしに行く手間も省けるようになりました。以前までは、小銭がたくさん入っている財布を持ち歩くことが一般的でしたが、スマホ決済を利用すればスマホ1台持っていれば十分です。
個人間の送金
個人間のお金のやり取りをスマホ決済アプリで行うことが可能です。友人同士の割り勘の際であったり、遠方の知り合いに送金する際であったり、いろいろな場面でとても便利な機能になっています。
ポイントが貯まる
商品の購入時などの利用の際に、ポイントを貯めていくことができます。また、アプリ加盟店での割引クーポンや、お得なサービスを受けとれる場合があり、スマホ決済ならではのメリットがあります。
支払い履歴のチェック
支払い履歴の確認を簡単にスマホから確認することが可能です。利用後すぐに使用額をチェックすることができるので、支出管理をだれでもかんたんに行えます。
支出の管理を行いやすいという理由で、現金を使用している方には、おすすめの機能です。
店舗側のメリット
・お会計がスピーディー
・作業時間と人員コストの削減
・売り上げの向上
お会計がスピーディー
スマホ決済は、非接触型ICチップ型決済やQRコード決済によって支払いが行われます。従来の現金でのやり取りや、お釣りの返金などを行なう必要もなく、お会計にかかる時間が大幅に削減されます。
特に、混雑時などにお会計に時間がかかってしまうことは、お客さんや店員の双方にとってストレスになっている場合があるので、時間を気にしているお客さんが多数来店する店舗にはおすすめです。
作業時間と人員コストの削減
現金での決済の場合、売り上げを計算し、レジを締める作業に時間がかかっていることが多いです。その分、人件費も加算されてしまっています。
スマホ決済を導入する場合には、売り上げ計算の時間を無くします。人件費の削減にもつながり、店を閉めてから時間をかけてレジ締め作業などを行なう必要もなくなります。銀行でお釣り用の現金を用意する必要もありません。
売り上げの向上
アプリによって、キャンペーンが頻繁に行われており、利用者の購買意欲の向上を促しています。スマホ決済アプリのキャンペーンに参加したいお客さんの獲得に結び付きます。また、その場で現金が足りなくて購入を諦める事態が起こることもなく、機会損失を削減できます。
入金サイクル(入金されるタイミング)
商品を購入されて行われた決済の入金は、月に2~3回に設定されています。しかし、決済アプリによっては翌日に入金される場合もあります。
通常の店舗決済と違って、手元に現金がない場合があるので、店舗経営者は商品の仕入れ時期や家賃の支払い時期などを確認しておく必要があります。
適切なスマホ決済を選ぶポイント
利用者が多いかどうか
利用者が多いスマホ決済を選ぶ必要があります。良いキャンペーンをたくさん開催している決済アプリでも、利用者がいないとお客さんの増加にはつながりません。
また、地域によっては、スマホ決済が浸透していない場合もあります。全国で見て利用者数が多くても、普段から店舗で商品を購入しているお客さんが使用しているかどうかを確認しておく必要があります。
コストが自社に見合っているか
端末の初期費用や、決算手数料の確認が必要です。スマホ決済アプリによって、導入費用や決算手数料に違いが出てきます。また、アプリによっては、決算手数料の無料キャンペーンなどを開催している場合もあるので、比較検討してみてください。
入金のタイミングはいつか
入金のタイミングは、スマホ決済アプリによってさまざまです。従来の現金での決算であったら、お客さんが商品を購入すると手元にお金があることが当たり前だったのですが、スマホ決済では、購入時に現金が手元に来ることはありません。
家賃の支払い時期や、従業員の給料、仕入れ先への振り込みのタイミングなどによって、自社に合ったスマホ決済アプリを選ぶ必要があります。
人気スマホ決済4選
PayPay(PayPay株式会社)
【特徴】
・利用しているユーザーが4,000万人以上
・特別な機器の配置は必要なし(QRコードの設置のみ)
・初期導入費無料
・入金が最短翌日から可能
※2021年10月1日から決済手数料が有料化
参照:ペイペイ、中小の手数料有料化 10月から最低1.6%(朝日新聞デジタル)
PayPayは、スマホ決済で最も利用率が高いアプリとなっています。店頭にQRコードを置くだけで支払いが可能になることから消費者側から見てもとても便利です。入金のタイミングは、最短で翌日から可能である点も魅力的な部分で、利用料金を支払うことでクーポンの発行をPayPayを通して行えます。
楽天pay(楽天ペイメント株式会社)
【特徴】
・11年連続顧客満足度1位
・楽天カードとの相性が良い
・会員一億人以上の楽天ポイントの利用先として選ばれる
・カードリーダー端末利用の無料キャンペーン
・楽天銀行以外でも、入金振り込み手数料全額キャッシュバックキャンペーン
楽天Payは、楽天カードとの相性がとても良いです。入金の振込先が楽天銀行の場合、いつでも翌日入金が可能です。楽天ポイントを貯めている消費者が多いため、ポイントの利用先として楽天Payの人気は高く位置しています。
D払い(株式会社NTTドコモ)
【特徴】
・代金未払いリスクは、ドコモが負担
・ドコモユーザーのポイント使用先
・未成年に使用制限をかけることができる
・ドコモメディアから新規顧客の獲得
ドコモユーザーには、料金支払い時にドコモからポイントの還元が行われます。そのポイントの使用先としてD払いがあります。また、ドコモメディアでのキャンペーンによって、新規顧客の確保につながります。
au PAY(auペイメント株式会社)
【特徴】
・au PAY 会員数は2,500万人以上
・初期費用、決済手数料、入金手数料が無料
・au PAYの使えるお店検索で新規顧客の獲得
・キャンペーンを随時実施
au Payでは、KDDI原資で豊富なキャンペーンが行われています。2022年9月30日まで、決済手数料率を0%のキャンペーンもあります。au PAYのお店検索サイトに掲載されることで顧客の獲得を狙えます。
まとめ
スマホ決済は、とてもお得なキャンペーンが随時行われていたり、支払いの手間が省けたり、利用者や店舗にとって様々な利点があります。現在では、スマホ決済の使用が可能な店舗も増えてきています。個人事業者では、利用者数が多く、入金が翌日可能なPayPayがおすすめです。複数店舗経営チェーンでは、複数のスマホ決済サービスを利用することで、業務効率を上げることにつながります。業務の効率化、新規顧客の確保などのためにもスマホ決済の導入を考えてみていかかでしょうか。