ペット業界のDX化導入|クオリティ重視の新時代をともに歩む

ペット業界のDX化導入|クオリティ重視の新時代をともに歩む

経済産業省の調べによると、ホームセンターのペットやペット用品販売額は近年、増加傾向にあります。2020年は前年比8.2%増と大幅に増加し、新型コロナウイルス感染拡大防止の外出規制に伴い、ペットの需要が高まったことが背景にあります。

また、一般社団法人ペットフード協会の「令和4年全国犬猫飼育実態調査」によると、犬猫の平均寿命はともに2010年以来伸び続けており、2010年の平均寿命は、犬が13.87歳、猫が14.36歳に比べて、2022年の平均寿命は、犬が14.76歳(2010年比+0.89歳)、猫は15.62歳(2010年比+1.26歳)とそれぞれ長生きしていることがわかりました。これは人間でいうところの4、5歳ほど長生きしています。近年の動物愛護に関する意識の高まりは、そういった要因があったことも考えられます。

ペット用品需要の高まりやペットの高齢化は、ペット業界の市場拡大に大きく影響しています。年代にあわせたペットフードやペット用品の普及、高齢化に伴う獣医院の増加、ペットホテルやシッターなどの新規事業と、市場拡大は選ばれる企業が増えるため、他企業との差別化が不可欠になります。

そこでDX(デジタルトランスフォーメーション)化が重要になってきます。なぜなら、DX化による負担の軽減や業務の効率化は、サービスクオリティの向上につながるからです。

本記事では、今後のペット業界においてDX化がいかに重要か、実際に導入されている事例とともに考えていきます。

ペット業界におけるDXとは

まずDXとは、経済産業省の「デジタルガバナンス・コード2.0」で以下のように定義づけされています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

デジタル化によって生産性の向上や業務の効率化を目指し、生活や働き方をより良く変革していくことをDXといい、時代に沿った価値観や社会を形成する目的があります。

例えば、予約システムの導入で「病院やトリミングの予約・決済・顧客情報をデジタル化し、一元化して管理する」のはDX化の例の1つです。これにより「顧客情報管理の人為的ミスの削減」や「時間に拘束されない、急な予約の対応」が実現可能になり、業務の効率化やストレスフリーにつながります。

DX化の導入は負担が軽減され、アナログでしか成せない業務に注力できます。特に動物医療やトリミングなど、人の手での技術が欠かせない現場での施術や、ケア以外の時間や労力の浪費は得策ではありません。DX化は新時代の現場にあるべき環境を創ります。

ペット業界におけるDX導入例

ここからはペット業界に対して有用なDX活用例を紹介します。

1.予約システム

予約システムは予約受付→決済→顧客管理→集客まですべて自動化し、データ管理を効率化が可能になります。「RESERVA(レゼルバ)」は350種以上の業種に対応しており、フリープランを含む6種類のプランを用途やニーズにあわせて選択できる、業界No.1の実績を誇っています。また搭載されている予約時アンケート機能では、あらかじめ飼い主がペットの症状や状態、要望などを記載でき、スムーズな応対やきめ細やかなサービスの提供を可能にします。

RESERVAの動物病院における実際の活用例が、下記サイトに掲載されています。
導入事例:RESERVA活用事例|あいむ動物病院 西船橋【動物病院】

2.ペット手帳

「ペット手帳」は、動物病院の先生や専門家が監修した情報やアドバイスが飼い主に届きます。ペット情報とかかりつけの動物病院を登録することで、事前問診臨時休業のメッセージの送付などの便利なサービスが利用可能です。

その日の体調や食欲、散歩などの記録、日々の様子や病院の記録を残すことができる「健康記録」機能や「獣医師や専門家が答えるQ&A」、ほかの利用者のペットを表示したり自分のペットを披露できる「今日のおともだち」機能など、有益なコンテンツを多数搭載しています。

飼い主と病院をつなぎ、情報共有やコミュニケーションをスムーズにできます。

3.ペットフードのサブスクリプション

PETOKOTO FOODS(ペトコトフーズ)のフレッシュペットフードは、日本各地の新鮮な食材を使用して保存料・着色料・香料などを使用せず、人と同じ基準の国内のキッチンで調理したペット用ごはんです。

体重や体型、行動量のデータをもとに最適な栄養とカロリーを算出し、冷凍状態で家庭に届くため、ごはんの品質を落とさず健康管理のサポートを可能にしています。

ペット業界DX化が進む未来

コロナ禍を経て、各業界がオンラインサービスを発展させて、人々の生活の幅が広がっています。ペット業界のオンラインサービスには、獣医師や専門家に直接状態を質問できるアプリや保護犬猫と里親をつなぐマッチングアプリなど、動物の命を救うきっかけになるものがあります。

一般社団法人日本能率協会の「日本企業の経営課題2021」によると、DX推進に関わる人材が不足している明確なビジョンや経営戦略が描けない事業への展開が進まないといった課題が挙がりました。同サイト内で、この調査結果に対し、日本能率協会KAIKA研究所所長の近田高志氏は、以下のコメントをしました。

何のためにDXに取り組むのか、デジタル技術を活用することによって、顧客のニーズや社会の課題に対して、どのような価値を生み出していきたいのか。企業としての意志、目的を明らかにすることが、本来のDXを進めていくうえでの大前提となります。

日本企業の経営課題2021|調査結果を受けてのコメント

DX化によって、生産性の向上や業務の効率化が進むだけでなく、デジタルでしか成しえないサービスの提供や社会の課題解決が望めます。DX化は、業界が抱える課題を、人とデジタルの両方の側面から解決に導く手段です。導入できるシステムから少しずつ、DX化を進めるだけでもサービスの向上でペットを救うかもしれません。

まとめ

ペットやペット用品の需要が高まり、獣医院の増加などペット業界は今後も成長し続ける業界です。ライバル企業の増加で、よりサービスクオリティが重視されています。DXは、質の向上や利用者の満足度から企業の利益につながる大きな役割を果たすだけでなく、業界全体の発展に貢献するでしょう。