ビジネスの拡大や、特定のキャリアを持つ人材を確保するために利用される、人材採用メディア。メディアを使用することで、広く様々な求職者層にアプローチできます。企業の特徴や理念についての効果的な宣伝で、目的に沿った採用活動が実現します。
人材採用メディアの活用を検討している人の中には、複数のメディアの中でどれを選択すればよいのかわからない、グローバル人材に効果的にアプローチする方法を知りたい、といった悩みや疑問を抱える人も少なくありません。
今回は、グローバル人材採用に特化した人材採用メディアを5つを紹介します。企業が採用メディアを使用するメリットやデメリット、選び方のポイントなども解説しているため、自社の目的に沿った採用活動を行うための参考にしてください。
日本のグローバル人材採用の現状
海外の人材を採用するには、日本企業のグローバル化が必須です。近年グローバル化が推進し、海外に視野を向けた採用活動は増加しています。しかし、国際的な繋がりが強いアメリカやドイツ、イギリス諸国と比較すると日本のグローバル人材採用は遅れていると言わざるを得ません。
外国人とのコミュニケーションや採用後の教育・異文化に対する理解不足が、グローバル人材採用を阻害する一因です。仮に採用が成功したとしても、海外の人材が能力を発揮するための、教育環境の整備に課題を感じる企業も少なくありません。文化や価値観の違いが長期的な雇用の弊害になっていることが実情です。
日本の外国人労働者の種類と割合
外国人労働者とは、外国籍を有する日本の労働者を指します。近年は海外の人材を積極的に採用し、グローバル化を推進する企業が増えているため、外国人労働者の割合は増加傾向にあります。日本で働く外国人労働者の種類を大別すると以下のとおりです。
・就労目的で在留
・身分に基づき在留
・技能実習
・特定活動
・資格外活動
大きく分けると上記の5種類の外国人労働者が存在します。
専門的な技術や資格を有し日本で労働している者や、日本人の配偶者がおり永住権を獲得した者、ワーキングホリデー・アルバイトなど資格外の活動をする者など、外国人労働者の種類は多岐に渡ります。
最も割合が多いのが、身分に基づき在留する外国人労働者で、全体の30%ほどを占めます。身分に基づく在留とは、永住者や定住者を指し、日本での労働に制限が設けられていません。一方で、ワーキングホリデーなどの特定活動に従事する外国人労働者約は全体の2%とごく僅かです。
産業別の割合をみると、「建設業」「製造」「卸売り業」などの肉体労働に従事する外国人労働者の割合が多く、「医療」「福祉」「教育」などの専門的な技術や知識を要する分野での外国人労働者は少ないことが分かります。
求人メディア活用によるグローバル人材採用のコツ
本項では求人メディアを使用してグローバル人材採用を成功させるポイントについて解説します。自社の採用目的やメディアの特徴などを考慮して求人サイトを選択しましょう。
企業の強みを効果的に宣伝できるメディアを選択
優秀で企業の採用ニーズに合致した人材を採用するには、企業の強みや目的を効果的にアピールできるメディアを選択することが大切です。
そのために、メディアの掲載方法や掲載可能な情報量に注目しましょう。以下のような基準でメディアを選択することがおすすめです。
・オプションによる上位表示
・検索項目が充実
・掲載可能な情報量が豊富
中には、オプションを付けることで上位表示を促し、意図的にサイト内での露出度を高めることができるメディアもあります。上位表示されることで、多くの求職者に情報を届けることができるため、応募数の増加が見込めます。
業種や職種・言語などの検索項目が充実しているメディアを選択すれば、求人対象を限定し、求める人材に対し効果的に企業の強みをアプローチすることができるでしょう。
また、企業の特徴を多角的に取り上げ、ブランディング効果の最大化を狙いたい場合には、同一職種に対し複数パターンで掲載原稿を作成可能なメディアが重宝します。
機能やオプション・プランなどを比較
人材採用メディアを有効活用し、グローバル人材を採用するためには、採用メディアのオプションやプランなどを比較検討しましょう。
【機能】
スカウト機能やメール自動送信機能があると便利です。スカウト機能とは、スカウトを同意した全登録者に、求人情報と共に応募を促すスカウトメッセージを自動送信できる機能です。能動的に求職者に働きかけることで、採用機会の拡大が狙えます。
メール自動送信機能は、応募者との面談実施が決定した場合に、日程候補などが記載されたメールを自動送信する機能です。スタッフ手動での日程管理やメールを作成する手間が省けるので業務効率を向上させることができます。
【プラン】
成功報酬型のプランであれば、成果に応じて金銭が発生するので、無駄なコストを削減できます。採用に投資する資金と時間に合わせてプランを選択することで、より目的に沿った採用活動を展開できます。
機能やプランはメディアによって様々です。複数の中から最適なものを選択することが困難である場合は、求人広告代理店の活用がおすすめです。
求人広告代理店は、複数の企業情報を扱っています。そのため、採用ターゲットや採用における課題・要望をくみ取り、最適なアプローチを考案してくれます。
グローバル採用に適したメディアを選択
世界で活躍する人材を獲得するには、グローバル採用に適したメディアを選択することがおすすめです。
求職者が企業情報を検索するための、検索項目に注目しましょう。職種や勤務地の他に、使用する言語が項目として設定されているメディアはグローバル採用に適していると言えます。
さらにグローバル採用に特化したメディアであれば、「海外求人」「外資系求人」「ネイティブ英語求人」など語学力とそれを生かしたビジネスシーンに応じた検索項目が設定されています。
企業のグローバル化を推進する海外の人材や高い語学力を有した人材を獲得するために、メディアの特徴を把握しましょう。
採用メディアを使用するメリット
本項では採用メディアを使用するメリットを解説します。
要点を押さえ、効率的に採用活動を行うための参考にしてください。
幅広い人材への求人告知
人材紹介サービスでは、一人ひとりに対し企業の説明を行うことで応募を促します。そのため、紹介を依頼したとしても一度に複数の応募を確保することは現実的ではありません。
一方人材採用メディアであれば、一度にインターネットを活用するあらゆる層に求人告知が可能なので、効率よく募集を促します。
多くのメディアは、PC・スマートフォン・タブレットなど求職者の使用デバイスに関わらず閲覧が可能です。また、求職者の登録は基本的に無料であるため、手軽に求人情報をキャッチできます。
採用ニーズに合わせたプランのカスタマイズ
人材採用メディアは、企業(使用者)のニーズに合わせてプランのカスタマイズが可能です。基本的には、上位プランになるほど掲載できる情報量が増え、掲載順位が上になります。
基本プランとは別にオプションを付けることも可能です。オプションでは、検索上位表示やメルマガ機能を付加できます。採用人数や、獲得したい人材の職種などを考慮してオプションを選択しましょう。
採用活動の予算やニーズに合わせて機能をカスタマイズがすることで、費用対効果の向上が期待できます。
採用単価の抑制
企業が採用活動を開始するまでには一定の時間とコストを要します。「就職白書2019」によるとその平均期間は約1週間で、平均コストは約30万円ほどです。また人材一人あたりの平均採用コストはおよそ70万円といわれています。そのため、採用した人材が早期退職した場合の損失は甚大です。
人材採用メディアを活用することで採用単価を抑制することができます。効果的に企業の情報を発信することで、より企業の体質に合った人材へアプローチが可能なので、人材とのミスマッチを回避することができるからです。
採用メディアを使用するデメリット
本項では人材採用メディアのデメリットについて解説します。
デメリットを把握し、効果的にメディアを活用しましょう。
効果が出なくても発生する費用
人材採用メディアは基本的には掲載型課金制です。掲載型課金制とは成果に関係なく、メディアを掲載した時点で課金が発生する料金形態を指します。
そのため採用人数が0人でも掲載費用が発生してしまいます。可能な限り効率的に求職者にアプローチする必要がありますが、必ずしも成果が出るとは限りません。そのためコストパフォーマンスが悪いと感じる人もいるでしょう。
そういった人は、成果報酬型のプランを選択することがおすすめです。成果報酬型のプランは後払いの方式を採用しています。採用が成功した人数に応じて料金が発生する仕組みであるため、コストを最小限に抑えることができます。
掲載までの所要時間
掲載までに一定の所要時間や労働コストが発生することもデメリットとして挙げられます。一般的には人材採用メディアに企業情報が掲載されるまでの工程は以下のとおりです。
1.Webサイトの問い合わせフォーム、または電話でメディアに問い合わせ
2.担当者との打ち合わせにて、採用の課題やニーズを共有・掲載希望日などを決定
3.取材日を設定し、求人広告の専門スタッフによる企業へのインタビュー・写真撮影を経て、原稿作成開始
4.原稿確認、掲載開始
上記の工程には約1週間ほど時間を要します。掲載までの所要時間と、この間の人権費や移動費などのコストが発生することがデメリットといえます。掲載までのスケジュール感も加味してメディアを選択しましょう。
グローバル人材採用メディア5選
本項では、グローバル人材採用を行うにあたっておすすめの人材採用メディアを5つ紹介します。知名度の高い有名老舗サイトと今後の活躍が期待されるサイトに分けて、それぞれの特徴や優れている点について紹介していきます。ここまでで紹介した選び方の基準を参考に、企業の採用ニーズを満たすメディアを探してみてください。
有名老舗メディア3選
知名度の高い有名な3つのメディアを紹介します。登録者が多いため、企業情報を多方面に宣伝するには最適です。
マイナビ転職
【特徴】
アプリダウンロード数ナンバー1の人気人材採用メディアです。
会員数は業界最大級の756万人を誇ります。
【優れている点】
マイナビ転職では、「グローバル人材」「正社員雇用」「ウェブデザイナー」のように職種や雇用形態、人材の部類に応じた専門サイトの併設が可能です。
効率的に優秀な人材に対しての訴求を行うことができるため、求める人材とマッチングする確立が高くなります。
また、グローバル採用に特化したマイナビ転職グローバルでは、マイナビが所有する海外の求人情報を活用し、グローバル人材採用を支援しています。
検索カテゴリーが非常に豊富な点も他サイトと比較し優位性があります。勤務地や職種のみならず、使用言語や、国内勤務地から語学力を生かせる企業など様々な条件で検索可能です。
生かせる言語に関しては、英語、中国語、韓国語からウルドゥー語、タガログ語まで幅広く設定されているので、企業のグローバル化を促進する人材採用に重宝します。
→料金・機能などについて詳しくはこちら
リクナビNEXT(ネクスト)
【特徴】
国内最大級の転職サイトです。
新規会員登録者における35歳以下の割合が68%で若手採用にも厚く、企業からも人気の高い人材採用メディアです。
【優れている点】
中小企業を中心に幅広い業種が掲載可能です。掲載業種は、不動産、建築、通信、メーカーなど様々です。そのため、ニッチな分野においても高い専門技術や知識を有した人材を獲得できる可能性が高いです。
有料オプションを付加することで、企業の採用ニーズに適した人材はを自動で選定できるようになります。雇用条件を満たした人材を企業側からスカウトすることで、効率的かつ高精度な人材採用を実現します。
→料金・機能などについて詳しくはこちら
doda(デューダ)
【特徴】
2023年6月末時点で798万人の会員数を誇る影響力の高い人材採用メディアです。
会員の年齢層は24歳以下が2割、25歳から29歳が3割です。若年層に人気が高く、会員の約70%が35歳以下で構成されています。
【優れている点】
通常の掲載料金で2つのサイトを同時に掲載可能です。職種や業種を設定することで、専門のサイト掲載が可能なので、求める人材を効率的に採用することができます。IT系エンジニア採用に特化した専用サイトでは、検索条件項目に言語が含まれています。使用言語による条件検索を行うことで、高いITリテラシーを有した海外の人材とのマッチングを促進する効果が期待されます。
→料金・機能などについて詳しくはこちら
今後要注目のメディア2選
今後の活躍が期待される人材採用2選を紹介します。
どちらも専門性の高いメディアなので、職種や求める人材の能力・性質に重点を置いた採用活動を行うのに最適です。
Career Cross(キャリアクロス)
【特徴】
Career Cross(キャリアクロス)は2000年12月に開設された人材採用メディアです。
累計で3,000社以上に利用されており、今後のさらなる発展が期待されます。グローバル分野に特化したマーケティングや告知活動などの、戦略的な運営で着実にユーザーを増やしています。
【優れている点】
グローバル人材採用に特化しているので、海外の優秀な人材を採用するのに重宝します。検索項目には、「海外求人」、「ネイティブ英語求人」「外資系IT求人」などのグローバル人材採用に最適な項目が設けられています。求職者の英語力に応じた募集をかけることができるので、企業に必要な人材を効率的に採用することができます。
→料金・機能などについて詳しくはこちら
Green(グリーン)
【特徴】
2006年に立ち上がった人材採用メディアです。
ITやWeb業界の採用を支援する目的で開設されました。
【優れている点】
初期費用支払い後、追加課金や更新料の発生なく利用できます。優れた管理機能が搭載されているため、現状把握や課題解決に最適です。
料金プランは成功報酬型が用意されていて、採用人数に応じて料金が発生するので、徹底的に費用対効果を追求できます。
検索上位表示・メルマガ・求人特集など豊富なオプションも魅力的です。必要に応じてオプションを付加することで生産的な採用活動を行うことができます。
採用におけるコストパフォーマンスを最大化したい・経験のある優秀な人材を採用したいと考える企業におすすめです。
→料金・機能などについて詳しくはこちら
まとめ
今回は、人材採用メディアの特徴や選び方、グローバルな採用活動に適したメディア5選を紹介しました。
企業の情報をメディアに掲載するまでには、一定のコスト・時間を要しますが、採用ニーズに合った人材を獲得するには効果的です。
職種や言語などを検索項目に設定することで、特定の知識や技能を有した人材へアプローチが可能なので、有用な人材を効率的に採用することができます。採用メディアを有効活用することで、生産的な採用活動が実現するでしょう。
今回紹介したポイントを目的に沿った採用活動を行うための参考にしてみてください。
bizlyでは今回の記事以外にも、フィットネスやスポーツなど、様々な業界のDXニュースを取り上げています。ぜひご覧ください。
参考文献:
・就職未来研究所「就職白書2019」