【MAツール、BtoB・BtoC向け】おすすめの9社を徹底比較|国産・海外製の違いも解説

【MAツール、BtoB・BtoC向け】おすすめの9社を徹底比較|国産・海外製の違いも解説

リストアップした顧客データを社内に放置されたままで活かせていない、見込み客を創出するまでに時間やコストがかかりすぎている、といった悩みを抱える企業は少なくありません。このような課題を解決するシステムして、MA(マーケティングオートメーション)ツールがあります。

MAツールとは、マーケティングにおける業務フローや収集したデータを管理・分析する機能を備えたソフトウェアツールです。MAツールにより、アナログでは労力がかかり、到底不可能だったデータの分析・活用方法をツールが代行して実現します。したがって、営業やマーケティング業務の効率と効果を高めることが可能になります。

そしてMAツールは、各ツールごと、また国産/海外製により特徴や強みが異なります。そのため、機能や価格が、自社の現状さらには将来設計にまで合ったものを選ぶことが重要になります。そこでこの記事では、国内外の導入率や評価が高い主要なMAツール9つの違いや特徴を紹介します。自社に最適なツールを選定・導入し、マーケティングのDX(デジタルトランスフォーメーション)を成功させましょう。

MAツールとは

従来、商談会や電話での営業、ダイレクトメールといったアバウンド型またはプッシュ型と呼ばれる営業形態が主流でした。しかしこのような営業形態では、まず自社に興味を持ってくれるリード(見込み客)を見つけ出すまでに見込みの薄いリードへの営業もこなす必要があり、労力や時間、コストがかかるというデメリットがあります。

MAツールはこの段階を省き、顧客となり得る見込みの高いリードのみを選別することを可能にします。リードの選別過程は、以下のような流れになります。

①リードの創出(ジェネレーション)
広告やSNSを通じて、自社に関心を持ちそうな潜在顧客の興味を引き、メールアドレスなどの個人情報を獲得する。

②リードの育成(ナーチャリング)
創出したリードへ、購入決定に必要な情報をメールなどから提供して興味や購買意欲をより高めていく。

③リードの分類(スコアリング/クオリフィケーション
メールマガジン開封率やWebサイト閲覧履歴などを分析し、自社への関心度合いや属性によって育成したリードを分類する。購入の可能性が高い順にリードをスコアリングしたデータを、営業チームと共有する。

④リスト管理
リードの情報を活用しやすいようデータベース化する

MAツール機能の中で、SNSマーケティングやスコアリングなど、まず自社にどの機能が必要なのかを把握しましょう。そしてツールやプランを選ぶ際に必要な機能がすべて備わっているかまた予算に対する効果が見込めるかを、適切に判断することが重要です。

営業やカスタマーサポートなどの他部署で、すでに活用しているツールがある企業は、新たに導入するMAツールが、自社に既存のツールと連携できるかを確かめておくこともポイントです。

また、自社に適切ではない導入プランを立ててしまう事態を避けるため、ツールを提供するベンダー(製造元、販売供給元)からのサポートを受けた方がいい場合があります。特にMAツールをはじめて導入する企業であれば、導入時や導入後のサポート体制が整っているツールを選ぶとよいでしょう。

CRM・SFAとは

SFA(Sales Force Automation、セールスフォースオートメーション)は営業部門の支援、CRM(Customer Relationship Management、カスタマーリレーションシップマネジメント)は顧客情報の一元管理を目的としたツールです。そのため導入する部署が異なる点に注意しておきましょう。MA・SFA・CRMのツール連携は可能です。

SFAは、営業を効率化するツールです。つまり、営業活動やプロセス、契約フェーズなどの情報を管理・共有することで、営業部門内の連携や引継ぎをしやすくし、営業活動のスピードと質を向上させることを目的としています。また、エクセルでの管理よりも、営業における個々の数字の動きを逐一把握することができるため、社員へのヒアリングの時間を省けます。

CRMは、商品に惹かれた理由といった数値化できないデータも含め、ユーザーのニーズを把握するのに必要なデータを管理・分析するツールです。これにより配信するメールの種類などを最適化し、個々に合わせた適切なコミュニケーションで働きかけることで、ユーザーの満足度を高めて購買につなげることが可能です。また、定期的なメール配信などによりリピーターを育成するツールでもあります。

海外製・日本製、それぞれの特徴

MAツールは、製品にもよりますが海外製と日本製には大まかな違いがあります。

【海外製】
・多機能で体系的なプラットフォーム
・オンライン上のMAに強い

海外製のMAツールは、多機能で、MAに必要なリードの分析・営業管理・育成が1つのツールで完了するため、部門同士の情報共有や連携をスムーズにしやすいです。

また、国土が広い米国では以前から遠隔での営業活動が盛んだったため、MAツールに関してもWebやSEOといったオンライン上のマーケティング析機能が充実している傾向にあります。

【日本製】
・規模やサポートが日本の中小企業経営にも順応しやすい
・オフラインMAに対応する機能も充実

日本国産のMAツールは、機能の規模が広すぎず比較的安価な料金プランがあるため、中小企業の経営にも順応しやすいです。またサポートがすべて日本語な点も扱いやすいメリットです。

展示会やイベントといった対面での営業活動も重視する日本企業にとって、国産ツールはオンラインに加え、オフラインのマーケティングにも対応している場合が多く、自社の活動に即したマーケティングしやすいといえます。

国産のMAツール6選

b→dash(ビーダッシュ)

画像引用元:b→dash公式サイト

【特徴】
BtoC・BtoB向けのツールです。

業界初のData Pallette(データパレット)により、プログラミングを要さず画面操作のみで、データの連携から抽出まで行えます。またCDPというデータ統合機能でWebサイト上の行動履歴、企業がもつ顧客情報や購買情報、商品・広告・地域情報、天気など多角的なデータを関連づけて分析し、精密な顧客インサイトが導き出せます。また、フォーム作成など基本的な機能をはじめ、Web接客やBIといった機能から必要なものだけカスタマイズが可能です。

【連携できるシステム・対応チャネル】
システム:SalesforseやYouTube、Googleスプレッドシート、SFTPサーバー、S3など
チャネル:メール、LINE、SMS、デジタル広告の配信など

【導入実績】
J SPORTS、岡三オンライン証券、クレディセゾンほか

【料金】

初期費用要問合せ
月額費用30万円~

List Finder(リストファインダー)

画像引用元:List Finder公式サイト

【特徴】
BtoB向けのツールです。

フォーム作成などの基本的な機能から、PDFの閲覧解析や名刺データ化代行といった、BtoBのマーケティングをサポートする独自の機能が充実しているのが特徴です。

【連携できるシステム・対応チャネル】
システム:Salesforse 、Susan(名刺管理システム)
チャネル:メール

【導入実績】
1,800社以上
三菱電機システムサービス、東洋インキほか

【料金】
初期費用:10万円

フリーライトスタンダードプレミアム
初期費用0円100,000円100,000円100,000円
月額費用0円39,800円59,800円79,800円

SATORI (サトリ)

画像引用元:SATORI公式サイト

【特徴】
BtoB/BtoC向けのツールです。

サイトへのアクセス履歴や接触履歴も一元で管理・分析するため、個人情報入力前の匿名リードへのアプローチに強いのが特徴です。購買意欲の高いリードを抽出し、メールやポップアップの自動アプローチをかけ、購入へと誘導する一連のMA機能が、日本の企業や市場にちょうど良い規模で提供されています。またホームページやサポートが分かりやすく、初心者でも扱いやすい点も評価されています。

【連携できるシステム・対応チャネル】
システム:kintone、Sales Cloudなど
チャネル:メール、Google/Yahoo/Facebookなどの広告

【導入実績】
1,500社以上
USEN、ユニ・チャーム、アデランスほか

【料金】

初期費用300,000円
月額費用148,000円
(データ提供・独自ドメインは、有償オプション)

SHANON MARKETING PLATFORM(シャノンマーケティングプラットフォーム)

【特徴】
BtoB/BtoC向けのツールです。

企業が実施するオンラインとオフライン双方の、マーケティングキャンペーンやマルチチャネルを統合し一括で管理できます。Webのみならず、セミナーやイベント・展示会の、申込受付管理から来場者認証、アフターフォローのメール運用など、オフラインのリアルマーケティングにおける業務の効率化に強いです。

【連携できるシステム・対応チャネル】
システム:Salesforce、SBIベリトランス、GMOペイメントゲートウェイ、Movable Type、Google Analytics、SiteCatalystなど       
チャネル:メール、SMS、Web/アプリプッシュ通知、ポップアップ

【導入実績】
SB C&S、NTTソフトウェア、NTTコミュニケーションズ、野村総合研究所、時事通信社ほか

【料金】
要問合せ。利用シーンや機能に合わせたプラン選択が可能。

BowNow (バウナウ)

画像引用元:BowNow公式サイト

【特徴】
BtoB/BtoC向けのツールです。

0円のフリープランからあり、必要に応じて機能を追加し課金するシステムで、企業の特徴に合わせた安価で無駄のないツール利用を実現します。設定がシンプルなため、営業部門も使いやすくスムーズな業務が可能です。また、導入後すぐの成果と、中期的なリード育成活動の双方に充実した機能を充実させています。使いこなすのが難しいMAのシナリオやスコアリング機能の代わりに搭載している、BowNow独自のABMテンプレート機能は、顧客のポテンシャルとステータスを表で可視化できる利便性から利用者の支持を集めています。

【連携できるシステム・対応チャネル】
システム:Salesforceなど
チャネル:メール

【導入実績】
13,000社以上

【料金】
初期費用:要問合せ

フリーエントリー
月額費用0円12,000円

GENIEE MA(ジーニーエムエー)

画像引用元:GENIEE MA公式サイト

【特徴】
BtoC/BtoB向けのツールです。

メール配信のほか、Webプッシュ通知、LINE、ポップアップ、SMS、アプリプッシュといったMA業界でも最多のクロスチャネルから情報配信ができるため、特にBtoCの広告営業に特に強いツールといえます。また、キャンペーンやカスタマージャーニー、Webへの来訪企業といったデータをレポートする機能が整っているのも特徴です。またシナリオキャンパスによる顧客へのアプローチのシナリオ設定や、管理画面などがシンプルで使いやすく、定着率97%という実績をもっています。

【連携できるシステム・対応チャネル】
システム:Salesforse、ちきゅう(SFA/CRM)、Slackなど
チャネル:メール、Webプッシュ通知、LINE、ポップアップ、SMS、アプリプ ッシュ

【導入実績】
KIRAMEX、COCOO、住友不動産、UNISONPLANETほか

【料金】

初期費用別途見積もり
月額費用100,000円~(追加オプションあり)

海外製のMAツール3つ

HubSpot(ハブスポット)

画像引用元:HubSpot公式サイト

【特徴】
HabSpot(ハブスポット)は、自発的に興味を持っている顧客のみにプル型の営業をかけるインバウンドマーケティングに強いツールです。無料で使える顧客管理ツールHabSpot CRMの機能も充実しています。そのほか、SFAをはじめとしたMAにおける多くの機能が、HabSpotひとつの中で多機能が連携しているため他ツールを併用する必要がなく、作業スピードを早めやすいのは海外ツールならではのメリットです。さらに、エンジニアのコーディングを要しない、ノーコードでのEメールキャンペーン自動化が可能で、ほかにも自動化できるタスクが多くあります。

【連携できるシステム・チャネル】
システム:WordPress、Eventbrite、GoToWebinar、Salesforce、SurveyMonkeyなど
チャネル:Eメール、ブログ、ソーシャルメディア、広告など

【導入実績】
184,000社以上
電算システム、ビジネスエンジニアリング、構造計画研究所、Yahoo!JAPAN、SUZUKI、SUBARUほか

【料金】

個人〜小規模チーム向け

無料ツールStarterProfessional
初期費用0円0円360,000円
月額費用0円2,160円~96,000円~

企業単位〜大規模企業向け

ProfessionalEnterprise
初期費用360,000円720,000円
月額費用96,000円~432,000円~

Adobe Marketo Engage(アドビマルケトエンゲージ)

【特徴】
BtoC/BtoB向けのツールです。

メール配信や広告、アナリティクスなど、マーケティングに必要な機能9つが体系的にそろっているため、カスタマージャーニー全体の管理が容易です。また約700社の関連ソリューションと連携しており、各々のビジネスニーズに対応すべく、機能拡張やサービス連携を行うカスタマイズ性が高い点も魅力です。BtoB・BtoCまた企業規模の垣根なく導入されています。さらに、国内ユーザーコミュニティによる情報交換の場を活発に設けるなど、充実したサポート体制となっています。

【連携できるシステム・対応チャネル】
システム:Salesforce、Sansan、FORCAS、Microsoft Dynamics CRMなど
チャネル:メール、SNS、デジタル広告など

【導入実績】
Chatwork株式会社、三菱電機株式会社、株式会社オープンハウスグループほか

【料金】
要問合せ

Salesforce(セールスフォース)

画像引用元:Salesforce公式サイト

【特徴】
BtoB、BtoC向けのツールです。

SFA・CRMといった顧客管理を主とするツールで、特にCRMとしては世界No.1のシェアです。AIが自動で新たなセグメント(購買行動が似通った顧客層)を発見したり、顧客の関心を予測するなど、ニーズを正確に分析する機能が充実しています。またクラウド型ツールなのでPCやスマートフォンへのアプリダウンロード不要で、ネット環境があればどのデバイスからもアクセスできます。
またSales Pardotは、Salesforseが提供するBtoB向けMAツールで、Sales Cloudとシームレスな連携が可能です。よってSales CloudとPardotを連携させることで、BtoBのMAプラットフォーム全体が完成します。

【連携できるシステム・対応するチャネル】
システム:Salesforce Marketing Cloudなど
チャネル:メール、プッシュ通知、SMS、MMS(Salesforce Marketing Cloudとの連携が必要)

【導入実績】
NEC、キヤノン、TOYOTA、PASONAほか

【料金】
要問合せ

まとめ

MAでは、顧客の興味関心を効率的かつ的確に把握・管理することで、従来のアナログマーケティングよりも有望なリードを割り出し、またリード1人ひとりに最適なコミュニケーションを構築します。このようにマーケティング・営業・顧客管理の質をより的確かつ緻密にすることで、リードの獲得と育成という成果につながるのです。

またMAによる自動化は、業務の無駄を省くため、マーケティングにおけるPDCAサイクルのスピードを早める効果も期待できます。これにより、マーケティング業務のコストの低減と効率化を実現します。