【人事担当者向け】業務を一括管理できる人事管理システム4選|基本機能、選び方のポイント

【人事担当者向け】業務を一括管理できる人事管理システム4選|基本機能、選び方のポイント

多くの企業の人事部門は、社員の採用、面接、育成、退職、離職率低下への政策まですべての段階において重要な役割を担っています。それだけ、企業にとってなくてはならない部門です。

しかしながら、重要な役割を担っている人事部では、必然的に業務が多くなり、社員の負担がとても大きくなってしまいます。加えて紙やエクセルでの人事管理となると、人事部の業務効率やコストに大きな影響を与えてしまいます。

このような問題を解決し、人事部社員の負担の軽減に欠かせないサービスとして「人事管理システム」があります。

本記事では、人事管理の効率化やコスト削減を考えている方に向けて、人事管理システムの基本的な機能、サービスを選ぶ上でのポイント、人気の高いサービスを紹介していきます。これらを参考にして、人事管理システムの導入への検討、業務の効率化につなげられたらと思っています。

人事管理システムとは

 人事管理システムとは、人事業務を効率化するためのシステムです。
業務内容についての多くをカバーしており、データ管理や分析、労務業務の自動化をしてくれます。

皆さんは、人事評価を正しく行えていますか?

人事管理システムは、通常難しいと考えられている適切な人事評価を行うためにも利用されます。この点においても、以下にある基本的な機能の中で紹介していきます。自社に必要な機能であるのかを考えてみてください。

基本的な機能6つ

人事情報管理機能

社員の個人情報を管理することができます。具体的には

・個人情報(マイナンバー、住所、生年月日など)

・スキル情報(保有している資格、業務経験など)

・勤務状況(勤怠情報、休業歴など)

社員の退社や入社、結婚、引っ越しなどは頻繁に起こり、そのたびに情報を変更する必要があります。しかし、人事管理システムによって、情報が一元管理されているおかげで、マスタの情報を変更することで給与システムなどのすべてのシステムに情報が反映させられます。他のシステムに情報の変更を打ち込む必要がありません。

人事労務の自動化機能

社員の入社時には、個人情報の収集や確認、役所への提出など多くの手続きが必要となります。社員数が多い、また雇用形態が違う社員がいる企業ほど、時間がかかってしまいます。

自動化機能では、労務業務の効率化を図ることに役立てます。システム上で作成された書類がオンライン上で社員に送られ、雇用契約を締結される機能や、書類を電子申請することによって役所に行く手間が省ける機能などがあります。

人事評価機能

社員一人ひとりの評価シートをシステム上で作成し、管理する機能となります。
従来の人事評価シートの作成は、特定の評価用紙への記入や、エクセルを使い入力するなどされていました。すると、担当者や担当部門によって、評価基準に差が出てしまっています。

しかしながら、人事評価機能を使うことによって、共有しているシステム上で評価シートの準備、集計などのファイル、評価の進捗状況を管理し、業務の効率化や、評価の一貫性につながり評価基準に信憑性が増します。また、能力などに応じて目標値を設定できるので、社員の目標管理も行うことも可能です。

タレントマネジメント機能

社員の能力や、企業内での評価、経歴などを一括管理して、社員ごとに最適な部門に配置することができます。社員の能力や経歴をすべて把握して人事担当者が記憶しておくことは、難しいです。そこで、タレントマネジメント機能を使うことによって、能力や適性に合わせて社員の部署配置を決定することが可能になりました。新規プロジェクトへの参加メンバーを社員から選ぶ際などにも有効に使用することができます。

適正に合わせて、社員を特定の部門に配置することは、企業の利益にもつながります。また、社員と業務のミスマッチを減らし、人材の流出が軽減されます。

この機能では、多くの企業の人事部が抱えている、社員の適した部署への配置や、プロジェクトメンバーの選出などに関する問題を解決できます。

給与計算機能

社員の給与を自動で計算できる機能です。社員数が多くなるにつれて、給与計算に多くの時間を費やさなければなりません。単純作業である給与計算に人事部の時間を使うことは減らしていきたいです。

雇用形態によって差異が生まれる給与計算も、自動で行なえるので便利です。

人事情報分析機能

人事部門が得ている社員情報を分析する機能です。社員情報を多く入手していたとしても、しっかりと把握していなければ、どのような人材を採用するべきなのか適格な判断ができません。

人事情報分析機能を活用することによって、収集して情報をもとにレポートやチャートを作成して自社に必要な人材の能力や、自社の人材の強みなどを理解することができ、採用の方法や時期などの将来への計画を具体的に立てることに役立てます。

人事管理システムを選ぶ上での4つのポイント

人事部以外の社員でも使用しやすいかどうか
自社で必要なサービスが入っているか
現在使用しているシステムとの連携ができるか
セキュリティの強度

人事部以外の社員でも使用しやすいかどうか

人事管理システムは、人事部のみが使用するシステムではありません。採用時には、管理職、役員の社員が利用することもあります。また、各社員が個人情報を入力する場合もあります。そのため、使いやすさはとても重要になってきます。

普段からシステムを使い慣れていない一般社員でも、ストレスなく使いこなせるユーザビリティの良いサービスを選ぶことが大切です。

無料トライアルを行なえるサービスもあるので、試しに導入してみるのもおすすめです。

自社で必要なサービスが入っているか

人事管理システムでは、サービスによって一括で管理するものもあれば、必要な機能だけ使用できるものもあります。

例えば、人事部門の業務において、すでに自動給与計算機能などのサービスを活用していて新たに導入する必要がない場合は、プラン内容も変わってきます。すべてのサービスで同じ機能があるわけではないので、自社にあったサービスを見つけるためにも求めている機能をあらかじめ確認しておく必要があります。

現在使用しているシステムとの連携ができるか

自社で現在使用しているシステムとの連携ができるかどうかを確認することも大切です。すでに多くの社員情報を蓄積している場合は、既存データの移行を導入システムへスムーズに行なわなければなりません

そのため、導入する予定の人事管理システムが自社ですでに使用している他のシステムと連携できるかどうか、この点、選定する上でのポイントとなります。

セキュリティの強度

人事管理システムでは、社員の個人情報や評価など機密情報を管理していきます。そのため、情報の漏洩が起こってしまったら大きな問題になり、企業の信用問題にもつながります。

安心安全に社員の個人情報を活用していくためにも、セキュリティ機能の強化に力を入れているサービスの導入をおすすめします。

人気の人事管理システム4選

カオナビ(株式会社カオナビ)

画像引用元:株式会社カオナビ公式サイトより

タレントマネジメント機能に特化したサービスです。データには経歴などの人事情報に加えて、顔写真も確認することができます。

従来の管理では、人事情報と社員の顔写真が別々に保管されていることが多く、名前と顔が一致していないことがありました。その部分を解消し、優秀な人材の配置や評価などを社員の顔を見ながら決定することに役立てます。

システムの特徴として

・カスタム自由な人材データベース
 企業によって重要な情報をデータベースのカテゴリーに加えられます。

・マニュアル不要のユーザー画面
 わかりやすく、簡単に操作をすることができます。

・セキュアに情報共有するアクセス管理
 情報変更やアクセスの権限を設定できます。

加えて、カオナビを利用している企業での情報交換のコミュニティや、HR経験豊富なスタッフのサポートが用意されています。システムだけでは補充できないような他社の人事部とのノウハウの共有などができるようになっています。

【導入企業例】
学校法人立命館大学、株式会社ゼンリン、タビオ株式会社、
株式会社デンソーなど

【料金】
初期費用:要問合せ
月額費用:要問合せ

カオナビのサービス徹底解説記事はこちら

人事労務freee(freee株式会社)

画像引用元:freee人事労務公式サイトより

人事労務freeeは、給与の自動計算、勤怠管理、人事情報、などの人事業務を一元的に管理できるので、これから人事業務の管理をすべて効率化させたいと考えている方にとっておすすめです。社員数が多い企業には、おすすめです。

人事部での採用業務に力を入れていきたいと考えている企業ではあれば、現在属している社員全体の人材の能力やその他情報が一元的にわかるので、今後の採用方法や時期を判断する材料にすることができます。また、将来の経営判断に生かすことにもつながるでしょう。

そして、法令改正や料率変更にも自動で対応するので、新しい情報や制度によるシステムの変更による労務業務のミスをなくし、効率化につながります。

【導入企業例】
KDDI株式会社、株式会社ファームノートホールディングス、三井住友海上エイジェンシー・サービス株式会社など

【料金】
・ミニマムプラン
年額プラン 1,980円~/月
月額プラン 2,200円~/月

・ベーシック
年額プラン 3,980円~/月
月額プラン 4,480円~/月

・プロフェッショナル
年額プラン 8,080円~/月
月額プラン 9,280円~/月

SmartHR(株式会社SmartHR)

画像引用元:株式会社SmartHR公式サイトより

従業員が個人情報を直接記入するので、紙などを使った情報収集が不要になります。第三者が記入することで生じる書き漏れなどが起こるリスクもなくなり、人事部門の負担が軽減されます。

また、多言語化対応しているため外国人の従業員を雇っている企業でも、システムの導入後に外国人従業員本人による個人情報の記入でも問題ありません。

そして、社会保険や雇用保険などの手続きにおいても電子申請を行えます。役所に行き手続する必要がなくなります。社員情報の変更を行った場合でも、自動的に最新情報に更新されるので、正確な情報の使用に役立てます。

また、勤怠管理や給与計算ソフトなどの外部サービスとの連携も豊富にできるので、すでにほかのサービスを利用している場合でも使用可能です。

【導入企業例】
南国殖産株式会社、株式会社ZOZO、ディップ株式会社、株式会社ニュー・オータニなど

【料金】
スタンダードプラン・スモールプラン・プロフェッショナルプラン 要問合せ
0
円プラン 利用人数が30名までは無料で利用できます

HRBrain(株式会社HRBrain)

画像引用元:株式会社HRBrain公式サイトより

タレントマネジメント機能の中の社員の育成や企業の発展などの目標管理に特化したサービスになります。目標管理や人事評価に力を入れていきたいという方におすすめです。実績として、導入企業の離職率の低下、社員の成長意欲の向上につなげられた例もあります。

立てた目標やマイルストーンをクラウド上で管理することによって、時間が経つにつれ失われてくる目標達成意識を持続させることに役立ちます。その上、進捗状況なども簡単に集計して確認することができるので、部署ごとの作業状況なども会社全体で共有し、効率向上につながります。

【導入企業例】
アイフル株式会社、株式会社アドウェイズ、株式会社トリドールホールディングス、JA三井リース株式会社など

【料金】
月額69,800円~

HRBrainのサービス徹底解説記事はこちら

まとめ

人事部門の効率化を図ることは、企業の発展にもつながります。人事管理システムは、業務の効率化に加え、人材の育成や人材の適切な部署への配属に関する分析も行うことができます。これは、離職率などを減少にもつながります。これからの企業の将来のためにも、人事管理システムの導入により人材を管理していく必要があるでしょう。