塾業界のDX化|新たな勉強法で成績アップ

塾業界のDX化|新たな勉強法で成績アップ

少子高齢化により塾業界の経営はどのような状況に置かれているのでしょうか。一見すると売上高は減少しているかのように思われますが、経済産業省の「学習塾売上高指数、受講生一人当たりの塾売上高指数の推移」によると売上高は新型コロナウイルスの影響を受けた2020年を除き増加傾向にあります。

また、首都圏模試センターの調査では2024年度の小学6年生のうち私立・国立中学受験率は18.12%であり、2014年から10年連続で上昇し続けています。この数字は、小学6年生の4.7人に1人が中学受験をしているということを意味します。

このように受験戦争が激化する中で、学習効率を高めたり、塾と生徒・保護者の関係を密なものにしたりするためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の推進が欠かせません。一例として、AIの活用が生徒の苦手分野の克服に貢献することが挙げられます。

本記事では、塾業界がどのようにDXを取り入れ、教育の質を高められるかをを解説します。

塾業界におけるDXとは

まず、DXとは経済産業省の「デジタルガバナンス・コード2.0」で以下のように定義づけされています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

DXとは、デジタル化によって業務効率化や便利で快適な社会の実現を目指し、生活や労働環境をよりよいものへと変革していく取り組みを指します。デジタル技術の導入は生産性の向上、クオリティの高いサービスなどの強みに直結するため、企業がその業界において優位になることが期待できます。

例えば、予約システムを導入して「自習室の座席を事前に確保しておく」ことが挙げられます。これにより「時間を問わない予約受付」や「座席を探す時間を勉強時間に充てること」が可能になり、顧客満足度の向上やサービスクオリティの増進が実現します。

さらに、DX化の導入によって、利便性が高まるだけでなく、時間の有効活用や業務の効率化も可能になります。その結果、塾は生徒の学習効果を高めて志望校への合格をサポートできるようになり、売り上げアップにつながります。

塾業界におけるDX化の導入事例

ここからは塾業界のDX化において有用なサービスを紹介します。

1.予約システム

予約システムは予約受付→決済→顧客管理→集客をすべて自動化し、データ管理を効率化します。

なかでも「RESERVA(レゼルバ)」は350種以上の業種に対応しており、フリープランを含む6種類のプランを用途やニーズにあわせて選択が可能です。そのため、RESERVAは業界No.1の実績を誇っています。初心者でもかんたんに個別指導塾・学習塾の予約システムを構築でき、インターネットで24時間予約受付が可能です。顧客が予約日時を忘れないように促す予約リマインドメール機能や、生徒ごとに授業時のメモを登録できるカルテ機能によって、生徒一人ひとりへの最適な指導と保護者の満足度向上が期待できます。

2.教室と生徒・保護者をつなぐComiru

株式会社POPER(ポパー)が運営するComiru(コミル)は学習塾専用の業務管理ツールです。LINEやComiruアプリを通じた保護者との円滑なコミュニケーション、指導報告書やテンプレート機能を用いてのお知らせ作成機能によって塾経営者の業務負担を軽減します。また、口コミ収集機能や見込み顧客管理を使うと新規入塾者を効率的に獲得できます。

Comiruの導入によって、生徒や保護者とのコミュニケーションが活性化し、退塾率が下がったという声が塾経営者から寄せられています。塾の経営基盤を安定させるうえで、こうしたDX化の取り組みは効果的です。

3.AIを用いた学習システムatama+

atama+(アタマプラス)全国で4,000以上の学習塾に導入されているAIを用いた学習システムで、世界に1つしかない自分だけのカリキュラムを生徒に提供します。AIが、生徒の理解度やミスの傾向などを人間には不可能な精度で分析することで、テストの得点アップを実現します。

その上、このシステムは、志望校合格に向けてどのくらい進んでいるか、あと何時間勉強をすればいいのかなどのデータも可視化します。これにより、生徒は自分の現在地を把握することができ、このまま勉強を続けていけば大丈夫だと安心して合格へ向かっていけます。

塾業界が進んでいく未来

塾はDXを導入することで、生徒にただがむしゃらに手を動かして勉強させるのではなく、彼らに合った適切な勉強法を提案でき、学習効果を最大限に高められます。そのため、塾業界は生徒の志望校合格という大きな目標達成のサポートのためにDX化を推進していくべきです。

DX化の推進度は業界の盛衰に大きく影響しており、DXを導入しやすい業界こそ、その取り組みの差が成果に表れやすくなります。また、DXに着手しやすい業界の発展が日本全体のデジタル競争力向上につながります。

まとめ

塾業界は、講師1人当たりの業務量が膨大であり、DX化による業務効率の向上が求められます。さらに、サービスクオリティや満足度に還元できる点でも、デジタル技術の重要性はますます高まっています。

塾業界の未来は、DXの導入と活用にかかっていると言っても過言ではありません。