雇用調整助成金とは
雇用調整助成金とは、「事業活動の縮小」を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るために、「労使間の協定」に基づき、「雇用調整(休業)」を実施する事業主に対して、休業手当などの一部を助成するものです。
また、事業主が労働者を出向させることで雇用を維持した場合も、雇用調整助成金の支給対象となります。(引用元:厚生労働省ホームページ)
「雇用調整助成金」は新型コロナウイルス感染症の影響により耳にする機会が増えたキーワードですが、今回新規創設されたものではなく、もともとは、
経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、 労働者に対して一時的に休業等を行い、労働者の雇用の維持を図った場合、労働者が 従業員に支払った休業手当等の一部(一定の要件を満たす場合は全部)が国によって助成される制度
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク
という定義のもと、1975年(昭和50年)に作られた制度(元は「雇用調整給付 金」で1981年に現「雇用調整助成金」に変更)です。これまでも一般的な経済上の理由のほか、火山噴火による災害、新型インフル エンザの流行による業界打撃、地震による被害を受けた労働者を守るために用いられた制度でした。
また、次に掲げる理由による事業活動の停止又は縮小によっては、雇用調整助成金の支給対象とならないと厚生労働省の資料に定められています。
(イ) 例年繰り返される季節的変動によるもの
(ロ) 事故又は災害により施設又は設備が被害を受けたことによるもの
(ハ) 法令違反若しくは不法行為又はそれらの疑いによる行政処分又は司法処分によって事業活動の全部又は一部の停止を命じられたことによるもの(事業主が自主的に行うものを含む。)
また、雇用調整助成金から派生し、「中小企業緊急雇用安定助成金」というものが2008年(平成20年)に創設されました。背景にはリーマンショック(世界的な金融危機)があり、従来の雇用調整助成金の見直しがなされ創設されたものです。(のちにこれは雇用調整助成金と統合)
2020年「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例」
支給対象となる事業主
新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置では、以下の条件を満たす全ての業種の事業主を対象とされています。
- 新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
- 最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している)※比較対象とする月についても、柔軟な取り扱いとする特例措置があります。
- 労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている
支給内容
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に際して、厚生労働省は助成率及び上限 金額を引き上げる特例措置を実施しています。
- 助成率:従前4/5(大企業の場合2/3)から最大10/10へ拡充
- 上限金額:従前1日8,330円から1日15,000円へ引き上げ
助成対象となる労働者
事業主に雇用された雇用保険被保険者に対する休業手当などが、「雇用調整助成金」の助成対象です。学生アルバイトなど、雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当は、「緊急雇用安定助成金」の助成対象となります。(雇用調整助成金と同様に申請できます)
参照元:厚生労働省 雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
特例措置期間の延長
従来、2020年(令和2年)12月末までとされてきた雇用調整助成金の特例措置期間ですが、2021(令和3年)年2月末までの延長が厚生労働省より発表されました。
参照元:厚生労働省 報道発表資料 雇用調整助成金の特例措置等を延長します
申請手続
雇用調整助成金の申請手続は、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークで受け付けています。郵送での申請も受け付けています。
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