「採用管理システム(ATS)」とは?おすすめ4社を比較|機能・選ぶポイン トも解説

「採用管理システム(ATS)」とは?おすすめ4社を比較|機能・選ぶポイン トも解説

人材採用における応募者情報の管理を、紙やエクセルで行う労力は、人事部の業務効率やコストに大きなマイナスとなります。

特に「部門ごとに分けて人材を募集している」「取引している人材派遣会社が複数ある」といった企業は、管理する応募者情報がセクションごとに分散してしまい、選考スケジュールの管理などが煩雑になりがちです。

また応募者情報のデータベース化ができていないと、分析や社内共有がしづらく優秀な人材を見極める妨げとなります

このような人事業務の課題を解決するソフトウェアツールが採用管理システム(ATS)です。

本記事では採用管理システム(ATS)の基本的な機能とサービスを選ぶポイントを解説、また近年人気のシステム3社を紹介していきます。これらを参考に自社に合ったATSを選定し、人材採用のDX化を成功させましょう。

採用管理システム(ATS)とは?

採用管理システム、通称「ATS」は(Applicant:応募者、Tracking :追跡、System:システム)の略で、求人応募者の管理、面接調整、選考過程の管理、採用通知までをシステムで一元管理し、人材採用の手間やコストを大幅に改善するシステムです。

ATSにはいくつかの機能があり、例えば採用管理システム(ATS)は、IndeedやリクナビNEXTといった複数の求人Webサイトから集まった応募者情報をシステム上で一元管理することも可能です。

加えて、採用候補者のスケジュール調整と選考プロセスの社内共有から結果通知といった、一連の採用フローを滞りなく進める採用プラットフォームシステムです。

基本的な機能

以下の機能は「採用管理」のうえで最低限必要な機能で、ほとんどの採用管理システム(ATS)に備わっています。反対に備わっていない場合は、自社の求める機能が足りているのか、注意して利用してください。

・求人の作成と投稿
・プロフィールや職歴など応募者の情報を管理
・候補者情報/選考進捗を管理
・面接のスケジュール調整
・選考プロセスを社内で共有
・採用の合否連絡
・選考結果通知

また上記の基本機能にプラスする機能として、以下のようなものがあります。
こちらは、実装されているかどうかがシステムにより異なってきます。

・自社オリジナル求人応募ページ作成
・応募者情報一括管理
・アラートメール機能
・候補者とのメッセージ機能
・説明会・親睦会のスケジュール作成管理
・クラウド上でデータを暗号化して送受信するSSLへの対応
・選考や内定辞退の理由がわかる機能
・API連携
・タレントプール管理機能
・リファーラル候補者管理

一見、全ての機能を網羅しているものが良いように感じますが、実際に利用しない機能がある採用管理システムの場合、使い勝手が悪かったり、機能が多すぎるがゆえ、システム操作に不慣れの人事担当者の習得が遅れることも考えられますので注意が必要です。

採用管理システム(ATS)を選ぶポイント5つ

IT後進国と呼ばれる日本企業の(デジタルトランスフォーメーション)DX化が叫ばれる中、採用管理システム(ATS)の導入は業務効率化の要となるでしょう。

しかしながら採用管理システム(ATS)は、現在日本国内だけでも50以上のサービスが展開されており、どれが自社に合うかなど判断が難しくなっています。

ここでは、採用管理システム(ATS)を選ぶポイントを5つ解説します。

企業規模や用途に合っているか

ATSが管理できる雇用形態は、新卒採用向け、中途採用向け、もしくはアルバイト・派遣社員向けに機能が分類されます。また通年利用か就活シーズンのみの利用かといった違いもあり、活用できる時期や雇用対象はツールによって異なります

またすべての機能に対応できるオールインワンのプラットフォームを備えたATSもあります。こちらは、求人形態や時期を自由に切り替える必要がある場合に有用です。

一方、採用したい人数が少数であったり中途やアルバイト募集のみであったりする場合は、必要な機能をもつサービスやプランに絞って選択し、無駄なコストをかけないことも大切です。「コストを最小限に抑え、優秀な人材を確保する」という点を意識してみてください。

他のサービスと連携可能か

自社ですでに利用している他サービスがある場合は、それと連携できるかどうかもツール選びのポイントになってきます。

すでに導入しているチャットツールやカレンダーアプリなどと連携できる方が応募者とのやり取りやスケジューリングがスムーズに進められるため、ATS導入の負担が減り効果も増大します

API(アプリケーション プログラム インターフェイス)連携が可能なATSを選べば、GoogleカレンダーやLINEとの連携も可能になるので、この点もシステムを選定するうえでのポイントとなります。

セキュリティは信頼できるか

採用管理システムでは、求人応募者の個人情報を管理します。そのため、個人情報保護のセキュリティが整ったサービスを導入することは必須です。具体的には、

・クラウド上でデータを暗号化して送受信するSSL機能
・不正ログインが発生した場合にアカウントロックする機能
・応募者情報へアクセスできる権限を設定する機能

といった機能を備えていると安全性は高まります。自社が扱う情報内容を保護できるものを選んでください。

企業と応募者の双方が使いやすいか

応募者側はスマートフォンで求人情報を管理している場合が多いため、ATSで作成する求人も「どのデバイスからでも使いやすい設計になっているという点は重要です。企業側が使いやすいことはもちろん、応募者側がスムーズに選考へ進めるようなシステムを選びましょう。応募者が増加すれば採用の選択肢も広がります。

人気の採用管理システム3社比較

HRMOS採用(株式会社ビズリーチ)

HRMOSの公式サイトトップページ画像
画像引用元:「HRMOS」公式サイト

【特徴】
HRMOSは、採用から入社後までのフローを1つのシステムで効率化します。ビズリーチが提供する求人媒体「キャリトレ」や従業員管理システム「HRMOSタレントマネジメント」との連携により、採用候補者や入社予定従業員のデータを、社内でかんたんに共有できます。

また、柔軟なアクセス権限管理やZoomとの公式連携、SSO認証やPマークの取得によるセキュリティの担保、IPアドレス制限による情報漏洩の防止など、セキュリティ機能が充実している点も特徴です。

また初期設定時には専任担当がつき、導入目的や課題などを参照しながら定期的にフィードバックするサービスもあるため、サポート体制も充実しています。

・他の求人媒体との連携 :キャリトレ、HRMOSタレントマネジメント
・外部連携機能: 要問い合わせ

【導入企業例】
オイシックス・ラ・大地株式会社、SCSKサービスウェア株式会社、エイベックス株式会社 など

【料金】
初期費用: 要問合せ
月額費用 :要問合せ

HRMOSの公式サイトはこちら

ジョブカン採用管理(株式会社Dounuts)

設計や機能がシンプルで初心者でも扱いやすい点が評価されており、採用サイトも容易に作成することができます。また、Indeed・Googleしごと検索・求人情報 on Facebookなど、10種類以上の求人媒体と連携しているため、求人の間口を多様にして人材を募ることが可能です。

またLINEメッセージの送受信による候補者とのやりとりもでき、迅速なコミュニケーションにより選考離脱を防ぎます。

【連携】
・他の求人媒体との連携: Indeed、Googleしごと検索、求人情報 on Facebookほか
・外部連携機能 :LINEメッセ―ジ、Googleカレンダー、サイボウズ、Office365カレンダー、Slack

【導入企業例】
株式会社アンビスホールディングス、株式会社ONE COMPATH、株式会社SCRAP など 5,000社以上

【料金】
初期費用 :0円
月額費用:
・LITEプラン(求人媒体との自動連携機能はなし)
 候補者登録~50人/月:8,500 円/月
 候補者登録51~150人/月:30,000円/月
・STANDARDプラン(求人媒体自動連携機能あり)
 候補者登録~150人/月:候補者登録30,000 円/月
 候補者登録151~300人/月:70,000 円/月

ジョブカン採用管理公式サイトはこちら

JobSuite CAREER(株式会社ステラス)

JobSuite CAREERは、中途採用向けのATSです。1998年から続く長年のノウハウと、メールだけでなく電話による質問も受付ている丁寧なサポート体制で、契約継続率95%以上となっています。

Pマーク取得や情報セキュリティマネジメントシステムにも認定されており、ソフトウェアの機能のみならずインフラストラクチャやサービスの運営体制においても安全管理に注力しています。

【連携】
・他の求人媒体との連携: リクナビNEXT、Wantedly、ミイダス、日経転職版
・外部連携機能:Googleカレンダー、Outlookカレンダー、SmartHR、HARUTAKA、インタビューメーカー、SPI3、SCOA総合適性検査

【導入企業例】
企業では1,000社以上、エージェントでは2,400社以上

【料金】
初期費用:要問い合わせ
月額費用 :
・ジョブスイートキャリアのみ:50,000円~
・ジョブスイートフレッシャーズ+ジョブスイートキャリア:70,000円

JobSuite CAREERの公式サイトはこちら

yoiwork(株式会社コントロールテクノロジー)

画像引用元:「yoiwork」公式サイト

yoiwork(ヨイワーク)はバイリンガル人材に特化した採用管理システム(ATS)です。日本で働きたい外国人材と、外国人材を採用したい企業のマッチングを実現する機能が多数備わっています。

履歴書・職務経歴書・メッセージは自動翻訳が可能なので、言葉の壁を越えたコミュニケーションを実現します。他の採用管理システムと異なり、各種求人広告の自動掲載や複数媒体の応募者一括管理機能はありませんが、yoiwork上の機能はすべて無料で使えるため、外国人材採用にフォーカスした利用が可能です。

【機能】
・履歴書・職務経歴書自動翻訳機能
・求人ページ作成機能
・候補者の採用管理

【連携】
なし

【導入企業例】
非公開

【料金】
完全無料

yoiworkの公式サイトはこちら

まとめ

採用から選考までを一括したプラットフォームで管理し、また他システムとの連携で応募者とのやりとりの自動化が進められる採用管理システム(ATS)を活用することは、企業の利益に大きく貢献します。今後DX化が加速する日本社会において、ATSによる効率化は急務となっていくでしょう。