顧客管理システムはCRMシステム、CRMツールとも呼ばれ、CRMとは「Customer Relationship Management」を意味しています。CRMは、MA(Marketing Automation)やSFA(Sales Force Automation)と並べて考えられることが多く、ビジネスプロセスの観点から考えると、MAの範囲は見込み顧客に自社製品へ興味を持ってもらうまで、SFAの範囲は自社製品を買ってもらうまで、CRMの範囲は購入後を指します。
そのため、顧客管理システムは顧客と良好な関係を維持することを目的としており、既存顧客の維持や売上拡大のために、顧客情報管理、営業支援、マーケティング支援、カスタマーサポートなどの機能が搭載されています。具体的には、氏名や住所などの顧客情報の一元化や検索ができたり、メール配信機能やキャンペーン管理機能、データ分析機能などによるマーケティング支援ができたりします。
このように多くの機能が搭載されている顧客管理システムですが、自社の課題解決のためにどれを選べば良いかわからず、導入に踏み切れないという方も多いと思います。そこで本記事では、顧客管理システムを選ぶときのポイントや各ツールの特徴などを分析し、2021年最新情報を調査し厳選した顧客管理システム5選を紹介します。
顧客管理システムを選ぶ際に注目すべき3つのポイント
1.自社のCRMに関する課題を解決できるか
自社のニーズを満たす機能が備わっているかどうかは、選ぶ時の重要なポイントです。業界や販売戦略、企業規模によって有効な機能は異なるため、自社のCRMに関する課題を解決する機能を搭載しているかはしっかり把握しておきましょう。
2.セキュリティが信頼できるか
顧客管理システムは顧客情報を扱うため、セキュリティシステムを重視する必要があります。顧客情報が流出した場合、会社の信頼度に多大な影響を及ぼしてしまうため、各ツールがどのようなセキュリティシステムになっているのかを調査しておきましょう。
3.自社のリソースを確認し、実際に運用できるか
顧客管理システムを導入できても、適切に運用できなくては意味がありません。もし、社内にITやCRMに詳しい人材が不足していた場合、効果的な機能が揃っていても、操作方法などで従業員の負担が大きくなることもあり、継続的なデータ入力ができなくなることがあります。事前に従業員と相談し、運用できそうかを確認しておきましょう。また、会社やプランごとに異なった価格が設定されているため、予算内で満足できる顧客システムかも検討しましょう。
おすすめの顧客管理システム5選
salesforce
【特徴】
・CRMを専門にしているが、SFAにも対応
・導入社数15万社以上の信頼
・あらゆる業種・規模の企業に対応していて、規模や業種業態を一切問わない
・公式ホームページでCRMの基礎知識に関する記事が読める
【無料トライアル期間】
15日間(30日間が主流)
【初期費用】
なし
【料金】
月額3,300円から
【おすすめ】
・自社に適した顧客管理システムが見つからない方に
・顧客管理システムを導入しながら、CRMの基礎知識を学びたい方に
【導入実績】
内閣官房、パナソニック株式会社、大日本印刷株式会社、朝日生命保険相互株式会社 ほか
ちきゅう
【特徴】
・低価格で商談から顧客の管理など多くの機能が利用できる
・SFAに関する機能も搭載
・定着率99%を実現する、極力使わない機能を排除したシンプルな設計
・Google、MAJIN、Slackなどと連携可能
【無料トライアル期間】
15日間
【初期費用】
要相談
【料金】
月額1,480円から
【おすすめ】
・低価格で、CRMに関する多くの機能を利用したい方に
・シンプルな仕組みのツールを求めている方に
【導入実績】
株式会社ビックカメラ、住友不動産販売株式会社、アスクル株式会社、株式会社ミュゼプラチナム ほか
kintone
【特徴】
・部署・業種別に100種類以上のサンプルアプリが用意されていて、必要なアプリを選ぶだけですぐに使用可能
・JavaScriptやCSSファイルを設定画面から読み込むことにより、プラグインが可能
・APIを利用して、キントーンと外部サービスのデータ連携ができる
・Google、slack、ZOOMなど40種類以上のサービスと連携可能
・導入社数20,000社以上の信頼
【無料トライアル期間】
30日間
【初期費用】
なし
【料金】
月額780円から
【おすすめ】
・システムに詳しく、複雑なプラグインができる方に
・多くのサービスと連携を考えている方に
【導入実績】
株式会社資生堂、日産自動車株式会社、全日本空輸株式会社、株式会社朝日新聞、ソフトバンク株式会社 ほか
Microsoft Dynamics 365
【特徴】
・Outlook・Excel・WordなどMicrosoft office のサービスと連携ができる
・企業資産を管理する「ERP(Enterprise Resources Planning)」を扱える
・自社の財務状況や人事業務なども管理できる
【無料トライアル期間】
30日間
【初期費用】
機能によって異なる
【料金】
機能によって異なる
【おすすめ】
・Microsoftとのサービス連携を考えている方に
・顧客情報だけでなく、自社の財務状況や人事業務も同じツールで一括管理したい方に
【導入実績】
Columbia Sportswear、UNICEF、トヨタ自動車株式会社 ほか
HubSpot
【特徴】
・永久無料プランあり
・無料プランでも、CRM機能は充実
・CRMのみでなく、MAとSFAの機能も付属
・世界120カ国・地域で利用され、導入社数11万社以上の信頼
【無料トライアル期間】
制限なし
【初期費用】
なし
【料金】
永久無料プランあり
※有料プランは月額5,400円から
【おすすめ】
・無料で顧客管理ツールを体験してみたい方に
・将来、MA・SFAツールの導入を考えている方に
【導入実績】
株式会社NTTPCコミュニケーションズ、株式会社電算システム ほか
まとめ
今回は顧客管理ツールの選び方とともに、「ちきゅう」「kintone」「Microsoft Dynamics 365」「HubSpot」の5社を比較しながら各ツールについて紹介しました。
デジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいる中、ビジネスにおける様々な業務を自動化することが強く推奨されています。その中でも顧客管理システムはかんたんに導入することができます。しかし、価格や目的などを見誤ると、十分な成果を出すことはできません。今後も様々なツールが開発されると思われますが、ツールを選ぶ時に1番重要なことは自社に合うツールを見極めることです。最適なツールを導入し、最大限に活用していきましょう。