2020年度第3次補正予算案が12月15日に閣議決定されました。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、今回の追加経済対策は「感染拡大防止」「経済構造の転換」「国土強靭(きょうじん)化」の3本柱で構成されています。
中でも、業態転換を図る中小企業に最大1億円を支援する「事業再構築補助金」が創設の柱となっています。空き施設を利用したフィットネス事業の展開を考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、コロナウイルス感染拡大の影響により売上が低迷し、業態転換を視野に入れている事業者・個人事業主の方に向けて「事業再構築補助金」について解説をしていきます。
事業再構築補助金の概要
経済産業省公式サイトにある、「令和2年度第3次補正予算案の概要」によると、中小企業等事業再構築促進事業の概要は以下のように記載されています。
ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中⼩企業の新分野展開や業態転換等の事業再構築を⽀援する。特に中堅企業に成⻑する中⼩企業については補助上限を1億円に引き上げて⽀援を重点化する。(引用:経済経済産業省関係令和2年度第3次補正予算案のポイント)
予算総額が1兆円を超える大型予算となっています。補助対象となる要件は2つです。
- 申請前の直近6か月間の内、売上高が低い3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等
- 自社の強みや経営資源(ヒト・モノなど)を活かしつつ、経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関等と策定した中小企業等
補助金額は中小企業(通常枠)の場合下限100万円~上限6,000万円以下。補助金額に大きな幅がありますが、補助率2/3となっており、かつ事業再構築イメージにも書かれている通り、事業転換・新規事業立ち上げに伴う設備投資にも活用できる制度となっています。
また中小企業(卒業枠)では、最大1億円の大規模な補助を受けることが可能です。卒業枠とは、計画期間内に(1)組織再編、(2)新規設備投資、(3)グローバル展開の「いずれか」により、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの、400社限定の特別枠としています。
これを機に、グローバル展開や経営の多角化を行う事業者も増えることが予想されます。
認定支援機関とは?
先述したように、事業再構築補助金を受ける際の要件として、認定支援機関等の支援を受けながら「事業再構築指針」に沿った事業計画の策定を行うとあります。
認定支援機関とは、中小企業・小規模事業者が安心して経営相談等が受けられるように、専門知識や実務経験が一定レベルを有する者に対し、国が認定する公的な支援機関です。
具体的には、商工会・商工会議所などの中小企業支援者の他、税理士・公認会計士、弁護士、中小企業診断士、金融機関などが認定されています。
現在までに、国が認定した支援機関の数は37,720機関にのぼります。中小企業庁では、認定機関の一覧を公開していますので、お近くの認定機関をご確認ください。
まとめ
令和2年度第3次補正予算案が2020年12月15日に閣議設定されたことで、個人事業主・中小企業等が注目する「事業再構築補助金」について解説をしました。
今回の閣議決定においては、その他にも地域や中小企業の事業運営に役立つ大規模な補助金が発表されています。現時点では未だ「案」の状態ですので、正式な事業開始はこれからとなります。
コロナショックにより売上が低迷し経営難に直面している事業者の方は、今後政府から発表される情報を引き続きチェックしてみてください。
【参考情報】
経済産業省:令和2年度第3次補正予算案(経済産業省関連)の概要
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