アパレル業界のオンライン接客事情|集客力アップにつながる新たな接客のかたち

アパレル業界のオンライン接客事情|集客力アップにつながる新たな接客のかたち

コロナ禍をきっかけに、リモートワークや各種サービスのDX化など、あらゆる場面でデジタル技術を活かした業務形態が広がっています。消費者側もサービスの予約や商品の購入にインターネットを活用することが増え、店舗を構えて対面でサービスを提供している業種は新たな戦略を立てることが求められています。

特に接客をメインにしているアパレル業界では、近年の状況を受けて、インターネットショッピングを充実させたり、店舗のSNSで商品をPRしたりする試みが見られます。このような新たな販売手法のひとつに「オンライン接客」があります。オンライン接客とは、ビデオ通話ツールなどを利用して、販売スタッフが商品の購入検討者にオンライン上で接客を行うことを指し、リモート接客やWeb接客とも言われます。

オンライン接客ツール2ndDoor(セカンドドア)を提供する株式会社ライクネスは、接客業従事者を対象に、「コロナ禍とオンライン接客」に関する調査を実施しました。調査の結果、「コロナ禍(2020年2月)以降、“オンライン接客”を行っていますか?」と質問したところ、現在も対面のみで接客を行う割合が約7割であることがわかり、オンライン接客はまだ広く普及しているとは言えない状況です。(参照:PR Times「8割以上が「必要」と思っていた!オンライン接客ツールの必要性や不満など、接客業従事者に直接聞いてみました!」)

アパレル業界は直接身につける「モノ」を販売することが中心なため、サービスを一気にオンライン化するにはハードルがあります。しかし、新たな戦略として非対面サービスのあり方に注目が高まり、どのように売り上げを伸ばしていくべきか、転換点にあると言えます。そこで本記事では、従来のサービスから発展した接客スタイルを展開するアパレル業界について、実際の事例とともに紹介します。

アパレル業界におけるオンライン接客

洋服や服飾品といった「モノ」を販売するアパレル業界は、対面コミュニケーションを基本としたサービスを展開しています。しかし、消費者行動が変化し、多くの業界や業種でオンラインサービスの提供が増えているため、アパレル業界においてもオンライン接客の導入が期待されます。加えて、オンライン接客にはマンツーマンで接客できるという利点があり、対面とは違った来店体験をすることができます。

アパレル業界がオンライン接客を成功させるには、試着をせずとも着用感がわかるような工夫や、消費者・顧客のニーズの分析などが必要です。アパレル業界のDX化についてはこちらの記事をご確認ください。

オンライン接客のメリットは?

オンライン接客のメリットは以下のような5点が挙げられます。

1. 予約管理が効率化できる

オンライン接客を始めるにあたってまず必要なのは予約管理の見直しです。オンライン接客はマンツーマンでのサービス提供が可能な一方、どの時間帯に誰が来店するのかをスタッフ全員で共有しておく必要があります。

そこで予約管理をシステム化し、業務フローの整理をしておけば、予約に関わる業務を効率化でき、顧客情報の整理も可能となります。

2. 顧客情報が一括管理できる

オンライン接客を利用した場合、来店に関する顧客情報はオンライン上で一括管理できます。

また、対面で来店した場合であっても顧客情報をシステムに記録し共有しておけば、顧客の好みやニーズにあった商品を提供できる機会が増え、リピーターの獲得につながります。

3. 販売スタッフがマンツーマンで接客できる

オンライン接客では担当スタッフと個別にコミュニケーションができるため、商品の情報や着用感だけでなく、その商品にあったコーディネートなどもマンツーマンで相談することができます。

実際の店舗に行ってスタッフと話すことに抵抗がある場合でも、オンライン接客なら安心してコーディネートについて相談ができます。接客時に商品を複数紹介すれば、関連商品の購入可能性が高まり、店舗側にもメリットが生まれます。

4. 予約数・売上アップ

アパレル業界では、従来の対面での来店サービスを継続しつつ、非対面でのオンライン接客を導入することで、店舗に来店できない顧客の新規獲得が期待できます。

このように新規顧客を獲得しつつ、既存の顧客の情報も蓄積していけば、1人ひとりに適した商品をスムーズに紹介でき、販売のターゲットが広がるでしょう。

5. お客さまの利便性アップ

オンライン接客を導入すれば、遠方居住者や来店までの移動時間が取れない場合でも、その店舗を利用できる可能性が高まります。

このように、来店へのハードルを下げ、店舗に行かずに店舗と同様な着用感やデザインを知ることができれば、商品への理解が深まり、店舗への信頼にもつながり、利便性が向上します。

オンライン接客の実現に近道な予約システムの機能4選

これまで解説したように、オンライン接客を導入する際は、あわせて予約に関わる業務もオンライン化していくことが大切です。

また、オンライン接客を実現するためには効果的な予約システムが必要です。その中でもRESERVA(レゼルバ)予約システムは、6つの予約タイプから自社のサービスにあった予約タイプを選択し、予約サイトを作成できます。今回は、オンライン接客に役立つRESERVAの機能について紹介します。

Zoom連携

オンライン接客を行う場合、双方がコミュニケーションをとるためのビデオ通話ツールが必要です。

RESERVAでオンライン予約が完了すると、予約完了した時点でオンラインミーティングが自動で作成されます。オンラインミーティングに参加するためのURLやパスワードはRESERVAから予約者へメールで自動送信されるので、スムーズにオンライン接客を始めることができます。

スタッフ指名

RESERVA予約システムの「サービス提供タイプ(スタッフ指名あり)」「スクール・アクティビティタイプ」「イベント・セミナータイプ」では、予約者が担当スタッフを指名し、その担当者のスケジュールから好きな時間を選んで予約できます。1つの店舗に複数のスタッフが勤務している場合やリピーターを確保したい場合に向いています。

予約時アンケート

RESERVA予約システムの予約時アンケートは、予約受付時に事前アンケートの入力を促す機能です。予約時アンケートを使えば、通常の予約者情報に加えて、予約者の要望や補足事項などの詳細な情報を得ることができます。

例えばオンライン接客の予約者にアンケートを送り、普段の服装や今回購入したい商品の着用シチュエーション、欲しいアイテムなどの情報を事前に収集しておけば、1人ひとりの要望に沿ったサービスの提供が実現します。

カルテ機能

カルテ機能とは、予約ごとに顧客対応時の記録や特記事項などを記録するメモ機能です。カルテにはコメントと画像(5枚まで)を登録でき、管理画面より過去のカルテを一覧で表示できるため、利用履歴をすぐに確認できます。

例えばカルテにお客様のスタイリングの好み、着用時の悩みなどを記入しておくことで、スタッフ間の情報共有が容易になります。また、接客時の会話や雑談なども記録しておくと、次回来店時のコミュニケーション向上にもつながります。

Zoom連携しているオンライン接客の事例

ここでは実際に予約システムを利用しながらZoom連携機能を活用している事例を紹介します。

ELENORE TOKYO(エレノアトーキョー)|レディースファッション

レディスファッションを取り扱うエレノアトーキョーではオンライン接客会を行っています。接客会にはRESERVA予約サイトが使われており、接客会に参加すると送料無料のオプションが付いてきます。

予約メニューには担当スタッフのプロフィールや身長が記載されており、初めてでも店舗のイメージがわき、安心して予約することができます。

WWSバーチャルストア|スーツ、オフィスファッション

画像引用元:WWSホームページ

機能性の高いスーツを販売するWWSでは、Zoomを使用してオンライン接客を行い、WWSの全商品を紹介しています。さらにオンライン接客についての説明も丁寧で、抵抗なく予約することができます。

オンライン接客の予約にはRESERVAが使われており、予約者は希望の日程と時間帯を選択してかんたんに予約できるようになっています。

GENTLEMAN(ジェントルマン)|ジュエリーショップ

ジュエリーショップのGENTLEMANでは、来店が難しいお客様向けに、店頭での接客と同様にジュエリーを選べるような、オンラインショールームを開設しています。

オンラインショールームを希望する場合は、予約サイトから希望の日時を選択し、予約を確定させます。その後Zoomで個別に相談ができるようになっています。また、世界に1つのジュエリーをオーダーすることも可能で、こちらも個別に相談できます。

まとめ

今回は、アパレル業界におけるオンライン接客の効果と事例について紹介しました。

近年のオンライン化の動きを受けて、アパレル業界でもオンライン接客に取り組む店舗が増えています。オンライン接客の開始にあたって課題はあるものの、予約システムを導入することで、予約以外の課題についても一度に解決できる可能性があります。運営者がオンライン接客のサービスをデザインすれば、新たな購入体験が生まれるかもしれません。オンライン接客の導入を検討中の運営者は予約システムの導入とあわせてぜひ本記事を参考にしてください。